犬と暮らす家計簿の作り方|毎月いくら確保すれば安心?

犬と暮らす家計簿の作り方|毎月いくら確保すれば安心?

犬と暮らす家計簿は、フード代やペットシーツ代のような毎月の支出だけを記録しても十分ではありません。ワクチンや健康診断など年に数回の費用、用品の買い替え、急な通院なども含めて管理すると、「毎月いくら確保しておけばよいか」が見えやすくなります。

目安を知りたいときは平均額も参考になります。アニコム損害保険が2026年3月に公表した2025年分の調査では、犬1頭にかけた年間支出は平均413,416円でした。単純に12か月で割ると月約34,500円です。ただし、これは同社のペット保険契約者へのアンケート結果であり、すべての家庭に必要な標準額ではありません。

 

毎月確保する金額は、「毎月使うお金+年払い費用の積立+臨時費への備え」で考えるのが基本です。平均額ではなく、愛犬と家庭の実際の支出から決めましょう。

犬の家計簿は「毎月・年間・臨時」の3つに分ける

犬にかかる費用は、支払うタイミングで3つに分けると管理しやすくなります。同じ「犬の費用」でも、毎月ほぼ一定の支出と、年に数回だけ発生する支出を一緒にすると、必要な生活費が分かりにくくなるためです。

毎月かかる費用

まず、毎月または高い頻度で支払うものをまとめます。家庭によって項目は異なりますが、代表的なのは次のような費用です。

毎月の予算に入れやすい費用

  • ドッグフード・おやつ
  • ペットシーツなどの消耗品
  • 歯みがき用品やシャンプーなどのケア用品
  • ペット保険へ加入している場合の保険料
  • 毎月利用するトリミングやサービス
  • 継続して使う薬・療法食などがある場合の費用

袋や箱を購入した日の金額だけではなく、1か月に実際どのくらい消費しているかも確認すると、翌月以降の予算を立てやすくなります。

年に数回かかる費用

毎月は支払わなくても、年間ではほぼ予定できる費用があります。支払月にまとめて家計から出すのではなく、年間予定額を12か月で割って毎月積み立てると負担をならしやすくなります。

  • 健康診断
  • ワクチンや予防に関する費用
  • 年払いの保険料
  • 定期的なトリミング
  • ホテル・シッターなど利用予定があるサービス
  • ベッド、ハーネス、食器などの買い替え
  • 防災用品や保存品の入れ替え

たとえば、1年間に予定している定期費が60,000円なら、月5,000円を積み立てる計算です。実際には支払時期が決まっているものもあるため、家計簿に「金額」と「支払予定月」を一緒に記録すると管理しやすくなります。

突然発生する費用

病気やケガの診療費、壊れた用品の買い替え、急な預け先の利用などは、発生時期も金額も正確には予測できません。

【通常予算とは別に考えたい支出】

  • 急な通院・検査・治療
  • 入院や手術に伴う支出
  • 療法食や介護用品が必要になったときの追加費
  • ケージ・給水器など生活必需品の故障
  • 家庭の事情によるホテル・シッターの緊急利用

特に医療費は「毎月○円あれば必ず足りる」と決められません。診察内容、検査、治療、薬、入院の有無などで負担は大きく変わります。通常の生活費とは別に予備費を持つ、加入している保険の自己負担条件を把握しておくなど、家庭に合う備え方を考えてください。

毎月いくら確保すればよいかは年間予算から逆算する

「犬には毎月いくら必要か」を先に決めるより、まず1年間に必要になりそうな費用を積み上げ、その後で月額へ直す方が現実的です。

最新の平均額は参考線として見る

アニコム損害保険の2025年分「ペットにかける年間支出調査」では、犬1頭あたりの年間支出は平均413,416円でした。月平均に換算すると約34,500円です。

一方、この調査は同社のペット保険契約者を対象にしたアンケートです。また、2025年の内訳では治療費が89,120円となっており、前年より増えています。平均には実際に発生した医療費や各家庭のサービス利用費も含まれるため、月約34,500円をそのまま「最低限必要な金額」と考えるのは適切ではありません。

【平均額を見るときの注意】

  • 調査対象が自分の家庭と同じとは限らない
  • 犬の体格・年齢・健康状態で必要額は変わる
  • 利用しないサービスの費用も平均には含まれる
  • 反対に、自宅特有の支出が平均には十分反映されないこともある

参考:アニコム損害保険「2025最新版 ペットにかける年間支出調査」(2026年3月11日公表)。2025年1月1日~12月31日にペット1頭へ支出した費用について、同社ペット保険契約者を対象に実施。

自宅の年間予算を積み上げる

家計簿では、次の順番で計算すると月予算を作りやすくなります。

  1. フード・日用品など毎月の支出を1か月分まとめる
  2. その金額を12か月分にする
  3. 予防・健診・トリミングなど年間予定費を加える
  4. 保険料やサービス利用料を加える
  5. 用品の買い替え予定額を加える
  6. 通常予算とは別に、臨時費への備えを考える

すでに犬と暮らしている場合は、理想的な予算をゼロから作るより、過去6か月~1年の実績を基準にする方が現実に近くなります。

犬の家計簿は「使った額」と「積み立てた額」を分ける

家計簿が分かりにくくなる原因の一つが、支出と積立を同じ扱いにしてしまうことです。実際に支払った金額と、将来のために確保した金額は分けて記録します。

家計簿の欄 記録する内容
毎月の支出 フード、日用品、保険料など実際に使った金額
年間費用の積立 健診、予防、定期ケアなど今後使う予定のお金
臨時費の積立 急な医療費や故障などに備えて確保するお金

たとえば、今月の犬用品に20,000円使い、年払い費用のために5,000円、臨時費として5,000円を取り分けた場合、家計から犬のために確保した金額は30,000円ですが、実際の消費は20,000円です。この違いを分けると、使い過ぎなのか、予定どおり積み立てられているのかを判断しやすくなります。

家計簿には犬専用の費目を作る

人の食費や日用品に混ぜると、犬にいくら使っているかが分かりにくくなります。最初は細かくしすぎず、次のような大きな分類から始めれば十分です。

【犬用家計簿の基本費目】

  • 食費
  • 日用品費
  • 健康・医療費
  • 予防・健診費
  • ケア・美容費
  • 保険料
  • ホテル・シッターなどのサービス費
  • 用品購入・買い替え費
  • 臨時費

記録を続けて「食費が予算を超えやすい」「医療費を別に把握したい」と分かってから細分化すると、家計簿が複雑になりすぎません。

月予算は3つの数字を出すと管理しやすい

犬のために毎月確保する金額は、一つの総額だけでなく、次の3つに分けると使い道が明確になります。

1.通常生活費

フード、日用品、保険料など、その月に使う予定の金額です。過去の実績から平均を出し、値上げや食事量の変化があれば修正します。

2.年間費用の月割り額

年に数回の健康管理や用品交換など、ある程度予測できる支出です。年間予定額を12で割り、毎月取り分けます。

3.臨時費への積立額

急な医療費などに備える金額です。必要額には家庭差があり、「○円あれば必ず安心」とは言えません。現在の貯蓄、保険の有無、自己負担割合、犬の健康状態、家計余力を見て決めます。

月予算の計算例

通常生活費:22,000円

年間予定費:72,000円 ÷ 12か月 = 6,000円

臨時費への積立:5,000円

毎月犬のために確保する金額:33,000円

これは計算方法を示すための仮定であり、犬1頭の標準額ではありません。自宅の実績と予定額へ置き換えてください。

これから犬を迎える場合は初期費用を月予算と分ける

犬を迎える前は、ケージ・サークル、ベッド、トイレ用品、食器、首輪やハーネスなど、生活開始時にまとまった支出が発生します。

初期費用を毎月の飼育費と混ぜないことが大切です。最初だけ必要な購入費を別枠にすると、犬との生活を始めた後の継続費を判断しやすくなります。

【最初に分けておきたいもの】

  • 迎えるときだけ必要な初期費用
  • 毎月繰り返す生活費
  • 年に数回の健康管理費
  • 急な出費への予備費

便利用品や追加のおもちゃなど、犬の性格や生活動線を見てから選べるものは後回しにする方法もあります。

犬の年齢や生活が変わったら予算も見直す

犬の費用は毎年同じではありません。成長、体重、健康状態、食事内容、通院、トリミング、留守番時間などが変われば、必要な予算も変化します。

特に次のタイミングでは、家計簿の予算を見直します。

  • 子犬から成犬へ成長したとき
  • 食事量やフードを変更したとき
  • 通院や継続治療が始まったとき
  • シニア期に入りケア用品が増えたとき
  • 保険料やサービス料金が変わったとき
  • 引っ越しや留守番時間の変化があったとき

値上げがあった場合も、以前の予算をそのまま使わず、実際の購入額へ更新します。

月末は予算と実績を比べる

家計簿は記録するだけではなく、次の予算を修正するために使います。月末に「予算」「実績」「差額」「差が出た理由」を確認してください。

確認項目 見るポイント
食費 食事量、価格、購入頻度が変わっていないか
日用品 使用枚数や交換頻度が想定より多くないか
医療・健康 臨時支出か、今後も継続する支出か
積立 予定どおり確保できたか、使用後に補充が必要か

予算を超えた月があっても、すぐに「使い過ぎ」と判断する必要はありません。必要な診療やケアで増えた支出なのか、買い方を見直せる支出なのかを分けて考えます。

節約するときは健康と安全に必要な費用を削りすぎない

家計を見直す場合は、単純にすべての項目を減らすのではなく、優先順位を付けます。

【見直しやすい部分】

  • 使っていない定期購入やサービス
  • 似た役割の用品の重複購入
  • 必要以上のまとめ買い
  • 犬が使わないおもちゃ・便利グッズの追加

【金額だけで削らない方がよい部分】

  • 必要な診療・検査・治療
  • 獣医師と相談して行う予防や健康管理
  • 愛犬に必要な食事
  • 安全な住環境を維持するための用品

家計簿の目的は、犬にかかる費用を無理に減らすことではなく、必要な支出を続けられるように準備することです。

犬のための月予算は「使う・積み立てる・備える」で決める

犬と暮らす家計簿では、毎月の支出だけを見るのではなく、年に数回の費用と予測しにくい臨時費まで分けて管理します。

毎月いくら確保するか迷ったら、まず過去の支出またはこれから必要な費用を1年分積み上げ、月額へ直してください。そのうえで、臨時費への備えを別枠で考えます。

 

通常生活費+年間費用の月割り+臨時費への積立の3つが無理なく続けられる金額かを確認することが、犬との暮らしに合った家計管理につながります。