犬の年間費用はいくら?毎年かかる固定費と突然の出費を整理

犬の年間費用はいくら?毎年かかる固定費と突然の出費を整理

犬と1年間暮らすためのお金は、フードやトイレ用品のように毎月出ていく費用だけではありません。予防、健康診断、トリミング、用品の買い替えに加え、病気やケガ、急な預かりなどの予定外の支出もあります。

アニコム損保がペット保険「どうぶつ健保」の契約者を対象に行った調査では、2025年に犬1頭へかけた年間支出は413,416円でした。これは1つの参考値であり、すべての家庭に必要な金額を示すものではありません。犬の体格、年齢、健康状態、フード、トリミングやホテルの利用、保険加入状況などによって実際の負担は大きく変わります。

年間費用は「毎月かかる日常費」「年に数回かかる定期費」「突然発生する臨時費」の3つに分けて考えると、家計の抜けを見つけやすくなります。

犬の年間費用はいくら?まず平均額の見方を確認

平均額は、自分の家計が高いか安いかを判定するためだけの数字ではありません。どの費目を年間予算に入れるべきかを確認するための目安として使うのが現実的です。

2025年の調査では犬1頭あたり年間413,416円

アニコム損保の「2025最新版 ペットにかける年間支出調査」では、2025年1月1日から12月31日までに犬1頭へ支出した年間費用は平均413,416円でした。有効回答数は5,494件で、調査対象は同社のペット保険契約者です。

平均額を見るときのポイント

  • ペット保険契約者を対象にしたアンケートである
  • すべての犬の飼育家庭の平均と同じとは限らない
  • 犬の体格や年齢、健康状態、暮らし方で実額は変わる
  • 治療費や追加の光熱費など、毎月一定ではない費用も含まれる

同調査では治療費が年間89,120円、飼育に伴う追加の光熱費が22,273円でした。特に治療費は前年比110.9%となっており、日常費だけでなく医療への備えも年間家計に含めて考える必要があります。

月額を12倍するだけでは年間費用にならない

毎月のフード代やペットシーツ代は把握しやすい一方、予防、健康診断、トリミング、用品交換、旅行時の預かり、診療費などは毎月同じ金額ではありません。

「普段の1か月分×12」だけで年間予算を作ると、年に数回の支出や臨時出費が抜けやすくなります。

分け方 主な費用
日常費 フード、おやつ、トイレ用品、消耗品など
定期費 予防、健康診断、トリミング、用品交換など
臨時費 病気・ケガ、急な預かり、故障・破損など

犬を迎える費用から年間費用、生涯費用まで全体像を確認したい場合は、次の記事も参考になります。

毎年かかる固定費・定期費には何がある?

年間支出の中心は、犬との生活を維持するために繰り返し発生する費用です。毎月支払うものと、数か月・年単位で支払うものを分けて整理します。

フード・おやつ

食費は継続的に発生します。体重だけでなく、年齢、運動量、給与量、選ぶフードの価格帯、おやつの量などによって年間額が変わります。

年間食費の出し方

  • いつも購入するフード1袋の価格を確認する
  • 1袋を何日で使い切るか確認する
  • 1年間に必要なおおよその袋数を出す
  • おやつ、トッピング、療法食などは別に加える

「小型犬だから安い」「大型犬だから必ず高い」と決めつけず、実際の購入ペースから計算する方が家計に合った数字になります。

トイレ用品・衛生用品などの消耗品

ペットシーツ、マナー用品、消臭用品、シャンプーやケア用品などは、少額でも年間ではまとまった支出になります。まとめ買いをする家庭では月ごとの支出が不規則になりやすいため、年間購入額で見ると把握しやすくなります。

健康診断・予防

犬では狂犬病予防注射のほか、生活環境や地域、年齢、獣医師の判断に応じて混合ワクチン、フィラリア、ノミ・マダニ対策、健康診断などを行うことがあります。

予防費を見積もるときの注意

  • 必要な内容は犬ごとに異なる
  • 薬は体重によって費用が変わることがある
  • 動物病院によって診察・検査・予防の料金は異なる
  • 実施時期と内容はかかりつけの動物病院で確認する

医療費を年間家計へどう組み込むかは、次の記事で詳しく整理しています。

トリミング・グルーミング

定期的なカットが必要な犬では、サロン代が年間支出に大きく影響します。犬種や被毛の状態、利用するサロン、利用間隔によって金額は変わります。

毎回の料金だけでなく、「1回の料金×年間利用回数」で計算します。爪切りや耳掃除などを単独で依頼する場合も、必要に応じて別枠で計上します。

ペット保険

保険へ加入している場合は保険料も年間固定費の一部です。月払いなら12か月分、年払いなら更新時の保険料を確認します。

ただし、保険に入っていても診療費が全額補償されるとは限りません。補償割合、対象外項目、限度額、回数・日数、免責などは商品によって異なるため、保険料と診療時の自己負担を別々に考えることが重要です。

用品の買い替え

首輪、リード、ハーネス、ベッド、食器、クレート、サークルなどは毎月買うものではありませんが、劣化、破損、成長、生活環境の変化で交換が必要になります。

特に散歩用品やクレートのように安全へ関係するものは、節約を優先して劣化したまま使わないようにします。

年間予算に入れておきたい突然の出費

固定費だけを準備していても、予定外の支出が重なると家計が崩れます。金額を正確に予測することはできなくても、「起こり得る支出」を先に把握しておくことはできます。

病気やケガによる診療費

突然の嘔吐や下痢、外傷だけでなく、検査、投薬、継続通院、手術、入院が必要になる場合もあります。診療費は症状、検査内容、治療方法、通院回数、犬の体格などによって異なります。

「年間平均だけ用意すれば足りる」とは考えず、通常の飼育費とは別に、急な受診へ対応できる資金を確保しておくことが重要です。

急なペットホテル・シッター代

飼い主の入院、出張、冠婚葬祭などで急に犬を預ける必要が生じることがあります。普段は利用しない家庭でも、緊急時に頼める家族・知人・サービスと、おおよその費用を確認しておくと対応しやすくなります。

用品の故障や破損

自動給餌器や給水器、クレート、サークル、リードなどが壊れた場合、安全や生活維持のためすぐ買い替えが必要になることがあります。予備費には医療費だけでなく、こうした生活用品の緊急交換も含めます。

災害への備え

防災用のフード、水、薬、トイレ用品、リード、キャリーなども準備が必要です。備蓄品には使用期限があるため、一度そろえて終わりではなく、定期的な入れ替えも年間支出として考えます。

想定外の費用を項目別に確認したい場合は、こちらも参考になります。

犬の年間予算を家庭ごとに計算する方法

平均額をそのまま当てはめるのではなく、自宅の支出を積み上げます。すでに犬と暮らしている家庭なら、過去3~6か月の購入履歴や前年の家計を使うと精度が上がります。

1. 毎月かかる費用を12か月分にする

まずは毎月ほぼ確実に発生する支出を集計します。

  • フード・おやつ
  • ペットシーツなどの消耗品
  • 月払いのペット保険料
  • 定額で利用しているサービス
  • 犬の飼育で増えた光熱費のうち把握できるもの

月の日常費×12を年間家計の土台にします。

2. 年に数回の支出を足す

次に、毎月ではないものの発生する可能性が高い費用を加えます。

  • 健康診断・予防
  • トリミング・グルーミング
  • 用品の交換
  • 予定しているホテル・シッター利用
  • 年払いの保険料やサービス料

この工程で、月額家計から漏れやすい費用を拾います。

3. 臨時費は別枠で確保する

病気やケガの診療費などは「必ず年間○円」と決めにくいため、日常費・定期費とは別に備えます。

臨時費の持ち方を決める材料

  • 犬用としてすぐ使える貯蓄があるか
  • ペット保険へ加入しているか
  • 保険の補償範囲と自己負担はいくらか
  • 犬の年齢や既往歴、継続治療の有無
  • 急な預かりや用品交換にも対応できるか

臨時費は「使う前提の生活費」と混ぜず、別口座や家計簿の別項目などで管理すると残額を確認しやすくなります。

4. 前年実績を使って翌年の予算を更新する

1年間暮らした後は、一般的な平均より自宅の実績が役立ちます。

前年の支出 翌年の考え方
毎月ほぼ一定だった費用 翌年の基本予算にする
年に数回発生した費用 回数と単価を見直す
突然発生した費用 予備費の持ち方を見直す
翌年変わりそうな費用 年齢・健康・生活予定を反映する

月ごとの管理方法まで具体的に作りたい場合は、犬との暮らし専用の家計簿の作り方も確認できます。

節約しやすい費用と、削りすぎない方がよい費用

年間費用を抑えるときは、すべてを一律に削るのではなく、安全性や健康への影響が小さい部分から見直します。

見直しやすい費用

  • フードや消耗品の購入先・購入頻度
  • 使っていない定額サービス
  • 必要以上に買っているおやつや用品
  • まだ使える用品の見た目だけを理由にした買い替え

同じ商品でも単価や送料、定期購入条件が違うことがあります。年間購入回数まで含めて比較します。

削りすぎない方がよい費用

  • 必要な診察・治療
  • 獣医師と相談して行う予防
  • 安全に関わる首輪・リード・ハーネスなどの交換
  • 犬の健康状態に合った食事

節約のために受診を遅らせたり、安全用品の交換を先延ばしにしたりすると、結果として負担が大きくなる可能性があります。費用を減らす場合は、健康と安全を守る部分を残したうえで家計を見直します。

犬の年間費用は固定費と突然の出費を分けて考える

犬の年間費用は、平均額だけで決めることはできません。2025年のアニコム損保の調査では犬1頭あたり年間413,416円でしたが、これはペット保険契約者への調査結果です。

自宅の年間予算を作るときは、毎月の日常費、年に数回の定期費、病気やケガなどの臨時費に分け、それぞれを積み上げます。すでに犬と暮らしている場合は前年の支出実績を使い、年齢や健康状態、生活予定に合わせて翌年の予算を更新すると現実的です。

「平均額に合わせる」のではなく、「自分の犬に必要な支出を漏らさず、突然の出費にも対応できる家計にする」ことが年間費用を考える基本です。

参考:アニコム損害保険株式会社「2025最新版 ペットにかける年間支出調査」(2026年3月11日公表)