犬が水をたくさん飲む「多飲」は、暑さや運動、食事の変化だけで起こることもあります。一方で、腎臓の病気、糖尿病、副腎などの内分泌疾患、薬剤などが関係する場合もあります。飲水量の増加だけで原因を特定することはできません。
動物病院では、いつから、どのくらい飲むようになったか、尿量の変化、体重や食欲の変化、服薬状況などを伝えると診察に役立ちます。
水をたくさん飲む原因として考えられること
犬の飲水量が増える理由にはさまざまな可能性があるため、一つの原因に決めつけず整理します。多飲だけで病気を断定することはできません。
気温や運動量の変化
暑い日や激しい運動の後など、一時的に飲水量が増えることがあります。
食事中の水分量の変化
ドライフード中心の食事などでは、食事から得る水分量が少なくなります。
腎臓の機能に関係する病気
腎臓の機能低下などで尿を濃縮する能力が低下し、多飲多尿が見られることがあります。
糖尿病や内分泌疾患
糖尿病や副腎皮質機能亢進症などでも多飲多尿が見られることがあります。
飲水量の増加と一緒に確認したい症状
水を飲む量だけを見るのではなく、排尿や食欲、元気など普段との違いも確認します。同時に起きている変化を確認しましょう。
尿が増えているかを見る
飲水量の増加と排尿量の増加が同時に起きているか確認します。
体重減少がないか確認する
食欲があるのに痩せるなどの変化がないか見ます。
食欲の変化を見る
食欲増加や低下など、普段と違う変化を記録します。
元気や嘔吐などを見る
全身状態の変化があれば発症時期も記録します。
動物病院で伝えたいポイント
受診時は、いつから増えたのか、どの程度飲んでいるのかなど具体的な情報を整理します。できるだけ観察した事実を伝えます。
24時間の飲水量を伝える
可能であれば実際に測定し、いつから増えたかと一緒に伝えます。
尿の変化を伝える
回数、量、夜間の排尿、失禁などを伝えます。
食事と体重を伝える
フードの変更、食欲、体重変化を伝えます。
薬やサプリを伝える
現在使っている薬やサプリがあれば、商品名や投与量を伝えます。
病院で行われる可能性がある検査
検査の種類は症状や診察結果によって異なり、必要性を見ながら獣医師が判断します。検査内容は愛犬の状態によって変わります。
身体検査と問診
脱水、体重、体温などを確認し、生活状況を聞き取ります。
血液検査
血糖、腎臓や肝臓の状態、電解質などを確認するために行われることがあります。
尿検査
尿の濃さや糖、蛋白、感染などを確認するために実施されます。
画像検査など
必要に応じて超音波検査などが追加され、原因を探します。
| 伝える情報 | 具体例 |
|---|---|
| 飲水 | 24時間量・開始時期 |
| 尿 | 量・回数・失禁 |
| 食事・体重 | フード変更・食欲・体重 |
| 薬 | 薬名・サプリ・投与量 |
多飲の原因には生活上の変化から病気まで幅があります。飲水量だけで判断せず、尿や体重、食欲、服薬状況をまとめて伝えることが大切です。
参考情報:Merck Veterinary Manual「Disorders of the Kidneys and Urinary Tract in Dogs」/Merck Veterinary Manual「Canine Hyperadrenocorticism」

