犬がフケが増えたときはどうする?自宅で確認したいことと受診の目安

犬のフケが増えたときはどうする?自宅で確認したいことと受診の目安

犬のフケが増えたときは、乾燥だけが原因とは限りません。シャンプーの刺激、皮脂バランスの変化、細菌や酵母の増殖、寄生虫、アレルギー、内分泌疾患など、さまざまな原因でフケや鱗屑が増えることがあります。

まずは、乾いた粉状か、脂っぽくべたつくか、かゆみ・赤み・臭い・脱毛があるかを確認してください。赤みやただれ、強いかゆみ、痛み、急な脱毛を伴う場合は、家庭ケアだけで長く様子を見ず動物病院へ相談します。

最初に確認したいこと

  • 乾いた白い粉状か、脂っぽいフケか
  • フケが増えた場所は全身か一部か
  • かゆみ・赤み・臭いがあるか
  • 脱毛やかさぶたがあるか
  • 最近シャンプーやケア用品を変えたか
  • 季節や室内の乾燥と関係していないか

犬のフケが増える主な原因

フケは皮膚表面の角質がはがれたものです。少量であれば見られることがありますが、急に増えた、広範囲に出る、かゆみや臭いを伴う場合は原因の確認が必要です。

皮膚の乾燥

空気の乾燥や過度な洗浄などで皮膚の水分が失われると、乾いた白いフケが増えることがあります。

  • 冬場や暖房使用時に増えた
  • シャンプー回数が増えた
  • 洗浄力の強い製品へ変えた
  • 皮膚がつっぱるように乾いている

といった場合は、生活環境や洗浄方法を見直します。

シャンプーや洗浄の刺激

犬の皮膚に合わないシャンプーを使ったり、洗浄回数が多すぎたりすると、皮膚バリアが乱れてフケが増えることがあります。

使用した製品名、洗った日、希釈方法、すすぎ時間などを記録しておくと、受診時に役立ちます。

脂っぽい皮膚・脂漏

フケが乾いているとは限りません。皮膚や被毛がべたつき、臭いを伴う場合は、皮脂や角化の異常が関係することがあります。

脂漏はそれ自体が病名とは限らず、背景に別の皮膚疾患や内科的な問題が隠れていることがあります。

細菌や酵母の増殖

細菌や酵母が増えると、フケだけでなく、赤み・臭い・べたつき・かゆみ・かさぶたなどが出ることがあります。

見た目だけで「細菌」「酵母」と家庭で断定することはできません。必要に応じて皮膚の細胞診などで確認します。

ノミ・ダニなどの寄生虫

ノミやダニなどの寄生虫が関係して、かゆみやフケが増えることもあります。

  • 急にかゆがるようになった
  • 腰や背中をよくかく
  • 小さな黒い粒のようなものが付く
  • 同居動物にも皮膚症状がある

といった変化があれば、そのまま獣医師へ伝えます。

アレルギー

アレルギーがある犬では、かゆみ、赤み、舐め続ける行動、外耳炎などと一緒にフケが目立つことがあります。

季節性があるか、食事変更後に始まったか、足先や顔もかゆがっていないかを確認します。

内分泌疾患など全身の病気

中高齢犬で、フケに加えて脱毛、皮膚の色の変化、元気や体重の変化などがある場合は、皮膚だけでなく全身の病気が関係することがあります。

Merck Veterinary Manualでも、二次性の脂漏では内分泌疾患やアレルギーなどの基礎疾患が原因になることが多いとされています。

乾いたフケか脂っぽいフケかを分ける

診察時に役立つため、フケの見た目を記録します。

確認項目 記録する内容
質感 乾いた粉状、べたつく、かさぶた状など
色 白、黄色っぽいなど
場所 背中、腹部、耳周り、尾の付け根など
臭い 普段より強いか
かゆみ かく、舐める、こする動作の有無

フケの量だけでなく、皮膚の赤み・脂っぽさ・臭い・脱毛まで一緒に見ることが重要です。

どこにフケが増えているかを確認する

フケが全身に広がっているのか、一部だけなのかも重要です。

  • 背中全体
  • 腰から尾の付け根
  • 腹部
  • 耳の周囲
  • 足先
  • 首周り

など、場所を写真やメモに残します。

かゆみ・赤み・臭いがあるか確認する

フケだけでなく、次の症状が一緒にある場合は皮膚炎や二次感染などを考える必要があります。

受診を考えたい変化

  • 強くかゆがる
  • 皮膚が赤い
  • じゅくじゅくしている
  • 臭いが強い
  • 脱毛が広がる
  • かさぶたや膿疱がある
  • 触ると痛がる

皮膚炎では、かゆみ・鱗屑・赤み・脂っぽさ・臭い・脱毛などが組み合わさって現れることがあります。

シャンプー回数を急に増やさない

フケが増えると「もっと洗えば取れる」と考えがちですが、原因によっては洗いすぎで悪化することがあります。

自己判断で避けたいこと

  • 毎日のようにシャンプーする
  • 洗浄力の強い製品へ急に変える
  • 人用シャンプーを使う
  • 複数の薬用シャンプーを混ぜる
  • 強くこすってフケを落とす

人用シャンプーは、獣医師の指示なしに使わない方が安全です。Merck Veterinary Manualでも、犬の脂漏に対するシャンプーは皮膚状態に応じて選ぶことが推奨されています。

ブラッシングは強くこすらない

軽いフケで皮膚に赤みや痛みがない場合、優しいブラッシングで浮いたフケを取り除けることがあります。

ただし、皮膚が赤い、かさぶたがある、触ると痛がる場合は無理にブラッシングしません。

「フケを全部取ること」より、皮膚を傷つけないことを優先します。

最近変えたフード・サプリ・ケア用品を整理する

フケが増えた時期と、生活上の変化が重なっていないか確認します。

  • フードを変更した
  • 新しいおやつを始めた
  • サプリを追加した
  • シャンプーを変えた
  • 保湿スプレーなどを使い始めた
  • ノミ・ダニ予防薬を変更した

変更したものがある場合は、商品名と開始時期を記録します。

写真を残すと変化を比較しやすい

フケの量や皮膚の赤みは日によって変わることがあります。

同じ場所を同じ明るさで撮影しておくと、

  • 広がっているか
  • 赤みが増えているか
  • 脱毛が進んでいるか
  • 治療後に改善しているか

を比較しやすくなります。

動物病院へ相談したい目安

一時的な軽い乾燥だけなら生活環境の見直しで改善することもありますが、次のような場合は受診を検討します。

受診を優先したい状態

  • 赤み・ただれがある
  • 強いかゆみがある
  • 臭いが強い
  • 脱毛が広がっている
  • かさぶたや膿がある
  • フケが急に大量に増えた
  • 何週間も続く・繰り返す
  • 元気・食欲・体重にも変化がある

フケの増加について動物病院で伝えたいポイント

「フケが増えました」だけではなく、いつから、どの場所に、どんなフケが増えたかを伝えます。

受診時に伝える内容

  • いつから増えたか
  • 乾いた粉状か脂っぽいか
  • どの場所に多いか
  • かゆみ・赤み・臭いの有無
  • 脱毛・かさぶたの有無
  • シャンプー頻度と使用製品
  • 最近変更したフードやサプリ
  • ノミ・ダニ予防の状況
  • 過去にも同じ症状があったか
  • 現在使っている薬

診察では皮膚と被毛を確認する

診察では、フケだけでなく皮膚全体の状態を確認します。

必要に応じて、

  • 皮膚の細胞診
  • 皮膚掻爬検査
  • 寄生虫の確認
  • 真菌検査
  • 血液検査
  • 場合によっては皮膚生検

などが検討されます。Merck Veterinary Manualでも、脂漏性変化の診断では細胞診、皮膚掻爬、真菌検査、血液・尿検査などが原因に応じて検討されるとされています。

原因が分かる前にサプリだけ追加しない

フケを見ると、皮膚用サプリやオイルを追加したくなることがあります。

しかし、感染、寄生虫、アレルギー、内分泌疾患などが原因の場合、サプリだけでは原因への対応になりません。

まず皮膚の状態と原因を確認し、そのうえで必要なケアを選ぶ方が無駄な出費も減らせます。

犬のフケが増えたときは、乾燥だけと決めつけず、乾いた・脂っぽい、かゆみ、赤み、臭い、脱毛、シャンプー歴を確認し、症状が強い・長引く・繰り返す場合は動物病院へ相談することが大切です。