犬の検診の適切な頻度とは

一昔前までは、犬は番犬として屋外で飼われることが多く、病気になっても飼い主が気づかないことが多かったようです。

しかし現代では、犬を家族の一員として大切にするご家庭が増え、怪我や病気のケアを献身的に行うことから犬の寿命が延びてきたともいわれています。

私達人間は、日頃の健康のためにも、大病を見つけるためにも定期的に健康診断を行っていますが、愛犬も定期的な健康診断を受けるとあらゆる病気の予防にもなります

愛犬の検診を受けさせる頻度ですが、子犬の間は、1ヶ月おきくらいに検診を受けることをおすすめします。子犬の場合、成長が大変早く、体の大きさだけでなく体の内部でも急成長は起きています。

また、感染病などには大変弱く、成犬では無症状の感染症でも、子犬の場合は発覚する頃には死に至っていることもよくあることですので、こまめに検診を受けた方がいいでしょう。

犬の成長は早く、あっという間。いつの間にか私たちの年齢を追い越していき、駆け抜けるように犬の時間は過ぎていきます。犬の1歳は人でいう18歳ぐらいにあたり、1歳超えると1年で小型・中型犬は約4歳、大型犬は約7歳ほど年齢を重ねます。犬にとって1年に1度の健康診断を行うことは、私たちが4年に1度あるいは7年に1度の頻度で健康診断を行うことと同じなのです。ですから、1歳になったら1年に1度、シニア期(小型・中型犬は7歳、大型犬は5歳)に入ったら半年に1度の健康診断が理想的です。

引用元:健康診断の時期と頻度‐日本動物医療センター

さらには、病気を早期発見することによって愛犬の命を救える可能性が高まるだけでなく、飼い主の治療の負担を軽減することができます

早期発見ができれば薬の投与だけで済んだ病気でも、発見が遅いと手術や入院することもあるため、莫大な治療費がかかる可能性が高まるのです。

そうならないためにも、成犬になってからも定期的に検診を受けるようにしましょう

とはいえ、犬は1年に4~5歳歳を重ねており、私達人間で考えると1年に4~5回検診を受けなければなりません。

これでは飼い主の負担が大きくなってしまうため、1年に1回程度の検診にしている飼い主が多いようです

私達も、40歳を超えたあたりから生活習慣病などのリスクが高まってきますが、犬の場合も5~7歳で深刻な病気になることが多いです。

大型犬は5歳で、小型犬は7歳をめどに1年に1回は検診を受けるようにし、一般的な血液検査や身体検査だけでなく、心臓病検診や胃腸検診などの検診の種類を増やしていくといいでしょう。

シニア犬になると病気のリスクは高まるので、1年に2回程度検診を受けるようにするといいでしょう。

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犬の検診にかかる費用とは?

犬を飼い始めるのなら、飼い主の義務として犬の健康を管理する必要があります。そのためにも、定期的に検診を受けることが大切。特に子犬はすぐに成長するため、それによって体内の状況も頻繁に変わります。

子犬の間は、1ヶ月おきくらいに検診を受けることをおすすめします。また、病気を早期発見することによって、愛犬の命を救える可能性が格段にアップしますし、飼い主の治療の負担を軽減することができます。

人間には健康保険などがあるため治療費は驚くほどの金額になることはありませんが、犬の場合は、検査の内容や治療の難易度によって金額に開きがあり、早期発見できなかった病気の治療では莫大な治療費になってしまうことも少なくはありません

そうならないためにも、成犬になってからも定期的に検診を受けるようにしましょう

特にシニアになるとあらゆる病気のリスクは高まりますから、飼い主による日頃の健康チェックも重要です。犬の検診の費用は動物病院により異なりますが、動物病院Aの検診費用をご紹介します。

1歳以下を対象とした手頃に受けられる検診では、「一般身体検査・デンタルチェック・食事指導・尿検査・便検査・全血球計算」に「血液生化学検査6項目」が加わり、費用は7,000円になります。

1~6歳を対象にした基本パックでは、「一般身体検査・デンタルチェック・食事指導・尿検査・便検査・全血球計算」と、「血液生化学検査12項目」「レントゲン」「超音波検査」が加わり15,000円

7歳以上を対象とした検診では「一般身体検査・デンタルチェック・食事指導・尿検査・便検査・全血球計算」に「血液生化学検査12項目」「レントゲン」「超音波検査」と「甲状腺ホルモン」の検査が加わり22,000円になります。

これらの基本的な検診に、心臓の検査、胃腸の検査などがオプションとして5,000円前後でつけることができます

他の動物病院でも、受ける検診内容や費用はそう大差はありませんが、小型犬、中型犬、大型犬で料金が異なることが多いです。ぜひ定期的な検診を心がけましょう。

犬の癌を早期発見するために重要な、癌検診

感染症やアレルギーなどは、血液検査でわかることが多いのですが、癌の場合は血液検査だけでは発見しにくいそうです。血液検査をしたからといって安心せず、癌検診も受けるようにしましょう。

特に、8歳を超えると犬は腫瘍の発生率が上がります。通常の検診にプラスして、癌検診を行うといいでしょう。

医療機関によっては、そのような検診プランを用意しているところも多いようです。最低年に1回は癌検診を受けることがおすすめです。

悪性の癌手術を受けたことがある場合は、3~6ヶ月おきに受けるようにしてください。ただし、検診の方法やタイミングは癌の種類によって異なりますので、担当の獣医に相談するようにしましょう。

犬の癌検診は、体の一般検査、問診、血液検査、超音波検査、CTスキャン、内視鏡、尿検査、心電図などから行います。

身体検査

獣医が体に触れ、隅々まで診察し、心臓音、肺音、呼吸音、消化管音などに異常がないかチェックします。

問診

過去の病歴や最近の食欲、食事内容、排泄状態、生活環境などを飼い主から確認します。

血液検査

一般血液検査、総合生化学検査、凝固機能、血液型、抗体検査などを行います。

超音波検査

胸部、腹部のエコーで体の内部を確認。各臓器を調べていき、腫瘍や臓器に異常が見られないかを調べます。

CTスキャン

超音波ではわからなかった臓器の実質が大変よくわかるようになります。特に、肺や鼻腔内などの腫瘍性の変化などもよく確認できるのが特徴です。

内視鏡

食道、胃、十二指腸、大腸などの腫瘍性変化が直接目視できるのが特徴。そのため、大変効果的な検査だといえます

尿検査

6項目の単純検査を行って尿の成分を調べ、異常がみられた場合には、細菌培養検査を行います。便を採取して、消化吸収不良、細胞検査なども行います。

心電図

心臓の動きに異常がないかを調べます。

定期的に癌検診を受けることが早期発見につながりますが、早期発見のためには、こまめに飼い犬とスキンシップをとることが大切。

長毛の動物は、毛玉をつくらないようにして皮膚に直接触れられるよう、まめにケアをしておきます。ブラッシングがうまくいかない場合は、短くトリミングなどして直接皮膚に触れられるようにしましょう。

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犬の歯科検診は定期的に行おう!

犬の歯科検診は、動物病院によって異なりますが、健康診断と一緒に行われることが多いです。まずは健康状態をみるために、全身を診断することで治療計画もたてられます。

体重、体温、脈拍、肥満の度合い、聴診、呼吸数、耳、間接、リンパ節、皮膚の状態など、あらゆる面から犬の健康をチェックします。

次は、実際に口の中を見て検診します。口を見るときには、噛み合わせ、口腔粘膜の色、歯肉炎の有無、口内炎の有無などを確認します。歯の病気にかかる犬はとても多いといいます。

犬の口の中の病気や疾患には、歯周病、腫瘍、口内炎などがありますが、犬の中で特に多いのが歯周病です。3歳以上の犬の80%以上に歯周病が生じるといわれるほど、身近な病気なのです。

身近な病気でもあり、最終的には歯を失う重大な病気です。歯垢の中には細菌が混在していますが、その細菌により炎症を起こすことによって、歯肉の他に歯根膜、セメント質および歯槽骨などの歯周組織がおかされ、最後には歯がぐらぐらとゆるくなり、抜けてしまうのです。

さらに悪化すると、鼻から出血、顎の骨折、口腔内粘膜の潰瘍、さらには心臓病や脳血栓を引き起こす恐れがあるといわれています。

繁殖した細菌が、血液に入り込み、特に血液が豊富に流れる肺、心臓、肝臓、腎臓などで重大な病気を発生する可能性があるのです。

歯周病は一度起きてしまうと完全に治すことは困難なため、何よりも予防が大切になります。

口臭がするようになる、口に痛みがある、グリーミングをしなくなる、歯ぎしりをする、口を開けるのを嫌がる、口を触られることを嫌がる、おもちゃをくわえない、噛まない、といった症状が現れたら、もしかしたら歯周病かもしれません。

以前は、犬は虫歯になりにくいといわれてきましたが、食生活が変化し、高齢化が進んだことなどにより、虫歯や歯周病にかかる犬が増えてきました

たかが歯、だとは思わずに、定期的に歯科検診を受け、健康的な歯を保つようにしましょう

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