犬が鼻水が出るときはどうする?自宅で確認したいことと受診の目安

犬に鼻水が出るときはどうする?自宅で確認したいことと受診の目安

犬に鼻水が出るときは、まず呼吸が苦しくないか、意識は普段通りか、自力で立てるかを確認します。そのうえで、鼻水が片側だけか両側か、透明・黄色・緑色・血が混じるか、くしゃみや顔の腫れがないかを見ます。

鼻水は軽い刺激でも出ますが、異物、鼻炎、副鼻腔炎、真菌症、歯の病気、腫瘍などでも見られます。家庭で原因を決めつけず、症状の特徴と全身状態を記録して受診判断につなげます。

POINT

鼻水が出ているときは「色」だけでなく、片側か両側か、呼吸が苦しくないか、血が混じらないか、顔の腫れがないかを確認します。呼吸困難や大量の鼻出血がある場合は、記録より受診を優先してください。

最初に呼吸・意識・歩行を確認する

鼻水の色や量を詳しく見る前に、全身状態を確認します。

最初に見る3項目

  • 呼吸が苦しそうではないか
  • 呼びかけに普段通り反応するか
  • 自力で立って歩けるか

口を開けて苦しそうに呼吸する、舌や歯ぐきの色が青紫っぽい、ぐったりしている場合は、鼻水の原因を調べ続けず動物病院へ連絡します。

片側だけか両側かを確認する

鼻水の左右差は、原因を考える大切な手掛かりです。

鼻水の出方 確認したいこと
片側だけ 異物、歯の病気、局所的な鼻腔疾患など
両側 炎症、感染、慢性鼻炎など幅広く確認
片側から両側へ 慢性化・広がりがないか受診時に伝える

急に片側だけ鼻水が出て、くしゃみや顔を気にする動きがある場合は、鼻腔内の異物が関係することがあります。

原因を詳しく知りたい場合

この記事は「今どうするか」と受診目安を中心にしています。鼻水が出る原因の整理は別記事で確認できます。

鼻水の色・粘り・血の有無を見る

鼻水は、透明、水っぽい、粘り気がある、膿のように見える、血が混じるなどさまざまです。

  • 透明で水っぽい
  • 白っぽい・粘る
  • 黄色・緑色
  • 血が混じる

色だけでは病名を特定できませんが、変化の経過を診察時に伝える材料になります。

鼻血が混じる場合は量と回数を確認する

少量の血が一度だけ混じる場合と、何度も鼻血が出る場合では緊急度が異なります。

大量に出血する、止まりにくい、ふらつく、歯ぐきが白いなどがある場合はすぐ連絡します。

くしゃみの回数と始まったタイミングを記録する

鼻水とくしゃみが同時に出る場合は、

  • いつ始まったか
  • 連続して何回出るか
  • 散歩後か
  • 草むらに入った後か
  • 室内の掃除・香料・煙との関係があるか

を確認します。

逆くしゃみとの違いが分からなくても動画を残す

「くしゃみ」「咳」「逆くしゃみ」が家庭では区別しにくいことがあります。

無理に病名や症状名を決めず、発作時の動画を安全に撮影して病院で見せる方が伝わりやすくなります。

顔をこする・鼻を気にする場合

鼻の中に異物がある、鼻腔内に痛みがある場合は、前足で顔をこする、床に鼻を押しつけるなどの行動が見られることがあります。

鼻の奥へ綿棒やピンセットを入れて探さないでください。

顔の腫れ・左右差を確認する

鼻の周囲や目の下、頬などが腫れていないか確認します。

歯根の感染が鼻腔へ影響したり、慢性の鼻腔疾患で顔の形が変わったりすることがあります。

顔の腫れが急に出た、強く痛がる、鼻出血を伴う場合は早めに受診してください。

呼吸音にも注意する

鼻づまりが強いと、いびきのような音、鼻を鳴らす音、口呼吸などが出ることがあります。

睡眠中だけでなく、起きているときにも呼吸音が強い、運動していないのに息が苦しそうな場合は受診を優先します。

食欲・飲水・元気も確認する

鼻水だけでなく、

  • 食欲低下
  • 水を飲まない
  • 発熱を疑う元気低下
  • 咳
  • 嘔吐・下痢

などがないか確認します。

全身症状がある場合は、鼻だけの問題とは限りません。

子犬・シニア犬・持病犬は早めに相談する

子犬、シニア犬、呼吸器・心臓・免疫に関わる持病がある犬では、症状の影響が大きくなることがあります。

「鼻水だけだから」と長く様子を見ず、普段との違いが大きい場合は早めにかかりつけへ相談します。

自宅で鼻の奥を洗浄しない

家庭で強く鼻を洗浄したり、器具を入れたりすると、粘膜を傷つける可能性があります。

外側についた鼻水は、湿らせたガーゼなどでやさしく拭く程度にします。

くしゃみも多い場合

鼻水とくしゃみが同時に続く場合は、くしゃみの観察ポイントも確認します。

人用の点鼻薬・風邪薬を使わない

人用の点鼻薬や風邪薬には、犬に適さない成分や用量があります。

以前処方された薬や、別の犬の薬も自己判断で使わないでください。

蒸気・加湿は「治療」の代わりではない

室内が乾燥している場合、適度な湿度管理が犬の過ごしやすさにつながることはありますが、鼻水の原因そのものを治療するものではありません。

呼吸が苦しそうな犬を浴室の蒸気などに長時間置くのではなく、まず病院へ相談します。

受診までに写真・動画を残す

鼻水は受診時には拭き取られていたり、症状が弱まっていたりすることがあります。

記録すると役立つもの

  • 鼻水の色と量が分かる写真
  • くしゃみ・逆くしゃみ・呼吸音の動画
  • 顔の腫れ・左右差が分かる写真
  • 始まった日時
  • 症状が強くなる場面

動物病院へ電話するときに伝えること

受診前に整理する項目

  • 年齢・体重
  • いつから鼻水が出ているか
  • 片側か両側か
  • 透明・膿状・血液などの性状
  • くしゃみ・咳・呼吸音
  • 顔の腫れ・痛み
  • 食欲・飲水・元気
  • 誤食・異物の可能性
  • 最近の散歩・草むら・旅行
  • ワクチン歴
  • 現在の薬・持病

診療費を確認したい場合

検査・処置・薬・再診など、鼻水の原因によって必要な費用項目が変わります。

動物病院ではどんな検査をする?

まず鼻・口・歯・顔面・呼吸状態を確認します。

短期間の軽い鼻水では、病歴と身体診察を中心に判断する場合もあります。

一方、慢性化している、血が混じる、片側だけ続く、顔の腫れがある場合などでは、

  • 血液検査
  • レントゲン検査
  • CT
  • 鼻腔鏡検査
  • 鼻腔内の生検
  • 必要に応じた培養・真菌検査
  • 歯科検査

などが検討されます。

長引く鼻水では詳しい検査が必要になることがある

慢性的な鼻水では、異物、真菌性鼻炎、慢性炎症、歯科疾患、腫瘍などを区別するため、CT・鼻腔鏡・生検などの追加検査が必要になることがあります。

「薬を飲んでも繰り返す」「片側から始まり両側へ広がった」「血が混じるようになった」といった変化は必ず伝えます。

抗菌薬が必ず必要とは限らない

犬の鼻水が出たからといって、すべてが細菌感染とは限りません。

異物、真菌、慢性炎症、歯の問題、腫瘍などでは治療が異なります。

余っている抗菌薬を自己判断で使わず、原因に合った治療を受けます。

治療は原因によって変わる

原因に応じて、

  • 異物除去
  • 炎症への治療
  • 感染症への治療
  • 真菌症への治療
  • 歯科治療
  • 腫瘍への治療

などが検討されます。

受診後も変化を記録する

帰宅後は、

  • 鼻水の量・色
  • くしゃみ回数
  • 呼吸
  • 食欲・飲水
  • 薬を使った時間

を記録します。

再連絡が必要な条件、次の受診日、薬を飲めなかったときの対応も確認してください。

犬に鼻水が出るときのチェックリスト

  • □ 呼吸が苦しくないか確認した
  • □ 意識・歩行を確認した
  • □ 片側か両側か確認した
  • □ 鼻水の色・量・血の有無を記録した
  • □ くしゃみ・咳・呼吸音を確認した
  • □ 顔の腫れ・痛みがないか見た
  • □ 食欲・飲水・元気を確認した
  • □ 鼻の奥へ器具を入れていない
  • □ 人用点鼻薬・風邪薬を使っていない
  • □ 写真・動画を安全な範囲で残した
  • □ 呼吸困難・大量出血・強い全身症状では受診を優先した
POINT

犬に鼻水が出るときは、片側・両側、色、血、くしゃみ、顔の腫れ、呼吸状態を確認します。長引く片側性の鼻水や血が混じる鼻水では、異物・真菌・歯科疾患・腫瘍なども含めた詳しい検査が必要になることがあります。