犬の寄生虫感染を防ぐための予防法

犬のお腹の中や、皮膚に寄生する寄生虫の種類は様々で、命に関わるものから無症状のものまで存在します。

犬に無症状だとしても、人間に感染する恐れのある寄生虫もいますし、特に「回虫」や「鉤虫」と呼ばれる寄生虫は、母犬が感染してしまうと、胎盤を通じて、もしくは母乳を通じて子犬に入り込むため注意が必要です。愛犬やご自分に感染しないよう、しっかりと予防を行いましょう。

寄生虫は、予防していれば100%防ぐことができる病気だといわれています。特にフィラリアは犬にとってとても恐ろしい病気で死に至る確率も高く、一度フィラリア症にかかってしまうと心臓に寄生した成虫を取り除くことは大変困難です。

手術が必要となる場合もあるので、早めから予防することをおすすめします。

予防としてはワクチン接種が良いといわれていますが、もしもお腹の中に寄生虫がすでに寄生していたら、ワクチンの効果が弱まってしまうことがあります。

そのため、子犬を飼うときには、まずは検便を受けて、寄生虫の有無を確かめましょう。子犬の場合は、症状が出てからでは遅い場合が多いので、早めに検査を受けましょう。

検便では、腸管内の寄生虫の有無を確かめます。少量の便を採取し、顕微鏡でよく観察することにより、寄生虫の虫卵を発見することができます。

また、その卵の形によって寄生虫の種類も判断することができ、適切な駆除薬を処方することができるのです。予防のためには薬も大切ですが、飼育環境を生活に保つことが何よりも大切です。

糞便は速やかに衛生的に処理し、トイレの後のお尻や足をしっかりと拭きとってあげます。掃除をしたり犬に触れたりした場合は、こまめに手洗いをするようにしましょう。

糞に卵が入り込んでいた場合は、人に感染する恐れもあります。定期的な検便と、駆除薬の投与は予防におすすめです。

寄生虫が1匹に見つかった場合、多頭飼いしているのであれば他の犬へも念のため駆除薬を投与しましょう。家庭全体で予防を心がけることが、他への感染予防となります。

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犬の寄生虫感染を防ぐための予防接種

愛犬と楽しく末長く暮らすために、事前にあらゆる病気を予防するための予防接種を受けておくことをおすすめします。ワクチンは予防する病気の数によって、「5種混合ワクチン」「8種混合ワクチン」と呼ばれています。

予防接種で予防できる病気には、

・パルボウィルス感染症
・ジステンパー感染症
・犬伝染性肝炎
・アデノウィルスⅡ型感染症
・パラインフルエンザ感染症
・コロナウィルス感染症
・レプトスピラ症

があります。

これらは命にも関わる病気なので予防接種は欠かせませんが、この他にも寄生虫感染を予防するための予防薬を使用することで対策は万全に近づくはずです。

犬の病気の中でも、皮膚病はとても多い病気だといわれていますが、中でもノミやダニによる皮膚疾患は多くの犬に見られるといわれています。

ノミやダニが活性化する4~11月までは、常に体や飼育環境を清潔に保つ必要がありますし、事前に予防接種を受けておくのも大切な予防法だといえます。定期的に健康診断を受けるなどして予防と駆除を行いましょう。

フロントラインなどの予防薬は動物病院で処方してもらえますし、ペット用品を販売しているお店でも置いてありますので、暖かくなる前に使用するようにしましょう。

また、「フィラリア」も是非予防したい寄生虫の一種。フィラリアは内部寄生虫で、蚊が媒介することで幼虫が犬の体に入り、皮下や筋肉の中で成長し、最後は心臓に寄生します。フィラリアに感染すると、咳、呼吸困難、食欲の減退などが起き、命の危険もあります。

フィラリアの予防は、住んでいる地域により異なりますが、蚊が現れる4月頃に検査を行い、その後11月頃まで毎月予防接種を行います

予防接種のほか、内服薬もあり、現在は内服薬が主流となっているよう。ただし、予防接種や内服薬ではすでに寄生しているフィラリアの駆除はできませんので、予防接種をする前に必ず体内にフィラリアがいないかどうか検査を行います。

犬の寄生虫を駆除する方法

犬のお腹の中は、飼い主が気づかぬうちに寄生虫に侵されていることもあります。寄生虫に侵されても症状があまり出ないこともあり、治癒に至るまで寄生虫の仕業だと思わない方も少なくはないよう。

しかし、エキノコックス症など肝機能に重篤な症状を引き起こし90%以上は死に至るような恐ろしい寄生虫が存在しているのも事実。

また、飼い主の手に寄生虫の卵が付着して、それが口の中に入れば飼い主が感染することがあります。我が家の犬には関係ない話、と油断せずに寄生虫予防や駆除を行うようにしましょう。

腸や体内に寄生している寄生虫は、便と一緒に卵が生み出されることが多く、そのときに回虫などに侵されていることに気づくことができます。

しかし、とても小さくて肉眼ではわからないことがほとんど。寄生虫がいるかどうかは、特別な検査を受ける必要があります

ただし、瓜実条虫の場合は、切り離された体の一部が便と一緒に排出されるため、肉眼で見つけることが可能です。

白色または赤みを帯びたゴマ粒のようなものが伸び縮みしていたら、それは寄生虫です。獣医に相談し適切な治療を受けるようにしましょう。

検査などをして寄生虫が見つかった場合、駆除薬を飲めば寄生虫は排除できます。しかし、飼育環境に散らばったままの卵は駆除できません。環境によっては1年以上感染力を持ち続けることもあるようです。

一度駆除薬を飲んだからOKではなく、再感染をすることのないよう、定期的に検査を受けることをおすすめします。

また、ノミの活動が活発になる初夏から秋は、ノミが運んでくる瓜実条虫にペットが感染するリスクが高いです。

成犬への定期駆除は、年1回以上が理想です。駆除薬の投与は、生後2週間~生後3ヶ月までは2週間おきに1回、生後3ヶ月~生後6ヶ月までは月に1回、生後6ヶ月以降は年1回以上を心がけましょう。

駆除薬の種類や回数については、かかりつけの獣医に相談するようにしましょう。

犬の寄生中予防・治療のための薬

犬が嘔吐や下痢をした場合は、他の病気も考えられますが、もしかしたら寄生虫に感染しているかもしれません

寄生虫に感染しても無症状のまま便などと一緒に排出されることがありますが、排出された卵を何かの拍子に飼い主が触れると飼い主に寄生することもあります

愛犬のため、ご自分のためにも寄生中予防はしっかりと行っておくべきでしょう。犬の消化器に寄生する虫には、回虫、鈎虫、鞭虫、条虫、コクスジウムなどがあり、ほとんどの場合口から感染します。

回虫は特に、大量にお腹に発生すると便に混じることがよくありますが、便から寄生虫が出たときに焦って市販の駆除薬を飲ませてしまうことがあります。

しかし、駆除薬は寄生虫の種類によって異なりますから、該当のもの以外を飲ませてしまっては意味がありません。検便をし、その結果から適切な駆除薬を選んでいるのです。

自己判断で間違った駆除薬を飲ませてしまうと、副作用により下痢を起こすことがありますから、素人判断で薬は使わず、かかりつけの獣医に相談するようにしましょう。

寄生虫を予防するためには、予防薬を投与することはもちろん大切ですが、何よりも飼育環境を清潔にしておく必要があります。寄生虫に限らず、アレルギーや皮膚病などの対策にもつながります。

体内に寄生するだけが寄生虫ではありません。ノミやマダニなども、皮膚に寄生する外部寄生中と呼ばれる類のものです。犬にノミが寄生すると卵を産み、その卵はあちこちにばらまかれることになります。

ノミに寄生されるとかゆみのためひっかき、皮膚炎を起こすことが主な症状で、マダニの場合はより重篤な症状を引き起こすことがあります。

ノミやマダニを駆除するためのシャンプーなどもありますが、一時的に数を減らせるだけで、根本の解決にはつながらないといえます。

効果の高い駆除薬やノミよけの首輪などが動物病院で手に入るので、獣医からしっかりと説明をしてもらい、納得の上使用するといいでしょう。ノミの発生を防ぐためにも、やはり清潔な飼育環境は重要です。

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犬に寄生虫の卵が見つかった場合にやるべき対策

犬が寄生虫に感染すると、下痢や嘔吐などの症状を引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります

飼育環境が清潔な場所ではあまり起こらない感染症ですが、どのような感染経路で感染することが多いのでしょうか。

最も多いのが、卵を口にしてしまうことです。寄生虫には、ノミやマダニのように体の表面に寄生する「外部寄生虫」と、腸や心臓に寄生する「内部寄生虫」があります。

内部寄生虫は犬回虫や瓜実条虫などが一般的で、主に消化器官に寄生してほとんどの場合卵から感染します。

寄生虫に感染した犬が糞便をし、その便の中に寄生虫の卵が入っていた場合、その卵を舐めることによって口から入って感染します

そのため、糞がおもちゃや食器に付着していても消毒をしないような不潔な環境では感染リスクが高まるのです。

糞便の中に紛れている卵は肉眼ではほとんど見ることができませんが、検便をした際に顕微鏡で見ることにより、卵の形からすぐに寄生虫の種類まで判別することができます。

糞便を他の犬が舐めないようにとウンチを土の中に埋めてしまうと、その土壌も寄生虫の汚染を受け、他の犬への感染を引き起こしてしまうリスクが高まるため、犬の糞を放置するのはもちろん、土に埋めてはいけません

寄生虫の卵は、糞だけでなく犬の体についていることもあります。犬の糞に触れた場合はもちろん手洗いをする方が大半だと思いますが、体に触れた場合も手洗いを徹底しましょう。

飼い主の手や体に卵が付着してしまうと、飼い主に感染する恐れがあります。寄生虫は犬の体に入ってから成長しますが、寄生虫の成長は大変早く、幼虫が犬の体に入って2ヶ月ほどで成虫になり、卵を産むようになります。

駆除薬を使って体内に寄生している成虫を駆除することができても、卵を産んだ後では効果は半減。幼虫や卵には駆除薬が効かないことが多いのです。

一度寄生虫が見つかった場合には、駆除薬を投与したからと安心せず、その成虫が卵をうめつけている可能性も考える必要があります。定期的に寄生虫検査を受け、定期的に駆除薬を投与するようにしましょう。

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