犬が元気がないときはどうする?自宅で確認したいことと受診の目安

犬が元気がないときはどうする?自宅で確認したいことと受診の目安

犬が「いつもより元気がない」と感じたときは、まず呼吸・意識・立てるかを確認してください。

元気消失は、疲れや一時的な体調変化だけでなく、痛み、発熱、脱水、胃腸疾患、感染症、心臓・呼吸器疾患、中毒、出血などさまざまな状態でみられます。見た目だけで原因を決めることはできません。

立てない、起こしても反応が鈍い、呼吸が苦しい、歯ぐきが白い・青紫色などの場合は、記録をそろえるより先に動物病院へ連絡してください。

最初に「呼吸・意識・立てるか」を確認する

  • 呼吸が苦しそうではないか
  • 呼びかけに普段どおり反応するか
  • 自力で立てる・歩けるか
  • 急に倒れていないか
  • けいれんしていないか

VCAは、起こしても反応しにくい、促しても立てない・歩けない場合を救急受診の目安として案内しています。

Merck Veterinary Manualでも、呼吸困難、意識消失、歩けない状態、重度の精神状態変化などは緊急評価が必要な所見とされています。

歯ぐきの色を見る

犬が元気をなくしているときは、可能であれば歯ぐきの色も確認します。

見え方 考え方
普段どおりのピンク 他の症状も合わせて観察
白っぽい・極端に薄い 貧血や循環不全などの可能性があり受診を急ぐ
青・紫・灰色 低酸素など重篤な状態の可能性があり救急
黄色っぽい 肝胆道系や溶血などの可能性があり受診

歯ぐきが白い、青紫色、灰色に見える場合は、自宅観察だけで済ませないでください。

「寝ているだけ」か「起きられない」のかを分ける

疲れて眠っている犬と、具合が悪くて反応が落ちている犬では緊急度が違います。

反応を見るポイント

  • 名前を呼ぶと顔を上げるか
  • 好きなおやつや散歩に反応するか
  • 自分から立ち上がれるか
  • 歩いたときふらつかないか
  • すぐ横になってしまわないか

ただし、元気を確かめるために無理に散歩させたり、何度も立たせたりする必要はありません。

食欲・飲水・排尿・排便を一緒に確認する

「元気がない」だけでは情報が少ないため、生活の変化をセットで確認します。

項目 確認すること
食事 食べる量、食べない時間
水 飲む量が増えた・減った
尿 回数、量、色、出にくさ
便 下痢、血便、便秘
嘔吐 回数、内容物、血の有無

食べない・飲まない・吐く・下痢・尿が出ないなどが重なる場合は、受診時に必ず伝えます。

嘔吐・下痢が続いていないか

嘔吐や下痢によって脱水が進むと、元気がなくなることがあります。

VCAでは、短時間に複数回の嘔吐・下痢があり、さらに元気消失や弱さを伴う場合を救急評価の対象に挙げています。

何度も吐く、血が混じる、水も飲めない、ぐったりしている場合は早めに受診します。

痛みが隠れていないかを見る

痛みがある犬は、単に「元気がない」ように見えることがあります。

  • 触ると嫌がる
  • 背中を丸める
  • 震える
  • 動きたがらない
  • 呼吸が速い
  • 落ち着かず何度も姿勢を変える

痛む場所を探すために強く押したり、関節を無理に動かしたりしないでください。

お腹が張っていないか確認する

急に元気がなくなり、お腹が張る、吐こうとしているのに何も出ない、落ち着かないなどがある場合は緊急性があります。

Merck Veterinary Manualでは、腹部膨満や痛み、吐けないのにえずく状態などを緊急評価が必要な所見として挙げています。

お腹が急に膨らみ、何度も吐こうとする、苦しそうにしている場合はすぐに動物病院へ連絡してください。

誤食・中毒の可能性がないか確認する

急な元気消失では、薬、食品、植物、洗剤などの誤食も確認します。

  • 人の薬
  • チョコレートなど犬に有害な食品
  • 殺虫剤・殺鼠剤
  • 洗剤・薬品
  • 観葉植物
  • 散歩中の拾い食い

誤食の可能性がある場合は、商品名・成分表示・摂取した量・時刻が分かれば記録し、包装や写真を持参します。

自己判断で吐かせないでください。物質によっては吐かせることが危険な場合があります。

暑さ・寒さの影響も確認する

暑い環境にいた後で、激しいパンティング、ふらつき、嘔吐、よだれ、意識の変化などがある場合は熱中症の可能性があります。

Merck Veterinary Manualは、熱中症を緊急疾患として扱い、速やかな冷却と受診を勧めています。

反対に、寒冷環境で震え、反応が鈍い、倒れるなどがある場合も低体温の可能性があります。

服薬・持病を確認する

現在使っている処方薬、サプリメント、市販品があれば一覧にします。

新しい薬を始めた直後に元気が落ちた場合も、自己判断で中止せず、処方した動物病院へ連絡してください。

心臓病、腎臓病、糖尿病、てんかんなどの持病がある犬では、普段と違う元気消失を早めに相談します。

写真・動画は安全に撮れる場合だけ残す

歩き方、呼吸、震え、反応などは動画が診察の参考になります。

ただし、既存稿の方針どおり、症状を再現するために歩かせる、痛みを確かめるために触る、撮影のために受診を遅らせる必要はありません。

人用の薬や残っている薬を使わない

人用の解熱鎮痛薬、風邪薬、胃薬などを自己判断で犬へ与えないでください。

以前この犬へ処方された薬でも、今回の症状に合うとは限りません。

食事や水も、意識が悪い、吐いている、飲み込みにくそうな犬へ無理に口から入れないようにします。

「一晩様子を見る」でよいとは限らない

元気がない状態には軽いものから救急疾患まで幅があります。

VCAでは、「いつもと違い、起き上がって外へ行きたがらない」「普段より眠る」といった明らかな活動性低下も受診相談の対象としています。

一律に何時間・何日待てるとは決められません。 急な変化、悪化傾向、子犬・シニア犬、持病のある犬では早めに相談します。

すぐ受診・救急相談を考えるサイン

  • 起こしても反応が鈍い
  • 立てない・歩けない
  • 呼吸が苦しい
  • 歯ぐきが白い・青紫・灰色
  • 倒れた・意識を失った
  • けいれんしている
  • 繰り返し嘔吐・下痢してぐったりしている
  • 尿が出ない
  • 腹部が急に張った
  • 誤食・中毒の可能性がある
  • 強い痛みがある

夜間・休日なら、かかりつけ医の留守番案内や地域の夜間救急病院へ連絡します。

動物病院へ電話するときに伝えること

項目 伝える内容
基本情報 年齢・体重・犬種
開始時期 いつから元気がないか
緊急症状 呼吸・意識・立てるか・歯ぐき色
生活変化 食事・飲水・尿・便・嘔吐
背景 持病・薬・誤食の可能性

分からないことは推測せず「確認できていない」と伝えて構いません。

病院ではどんな検査が検討される?

「元気がない」は原因が幅広いため、まず問診と身体検査が行われます。

状態に応じて、血液検査、尿検査、レントゲン、超音波などが検討されます。すべての犬が同じ検査を受けるわけではありません。

診療費を確認したい場合

診察・検査・治療でどのような費用が発生するかは、診療費の記事で整理しています。

あわせて確認したい関連記事

関連する基礎知識もあわせて確認すると、次に何を確認・準備すべきか整理しやすくなります。

受診後も変化を記録する

帰宅後は、獣医師から指示された範囲で次を記録します。

帰宅後の記録

  • 薬を使った時刻
  • 食事・飲水量
  • 尿・便
  • 嘔吐・下痢の有無
  • 歩き方・反応
  • 悪化した症状

再受診・再連絡が必要な条件と次回受診日も確認しておきます。

犬が元気をなくしているときは、まず呼吸、意識、自力で立てるかを確認します。

立てない、反応が鈍い、呼吸困難、歯ぐきが白い・青紫色、失神、けいれんなどがあれば、自宅観察を続けず受診を優先してください。

緊急症状がない場合でも、食欲・飲水・尿・便・嘔吐・痛み・服薬・誤食の可能性を記録し、明らかな元気消失が続く、悪化する場合は獣医師へ相談します。