犬のおしっこが多いと感じたら、最初に「回数が増えた」のか「1回量・1日量が増えた」のかを分けて確認します。少量を何度もする頻尿と、大量の尿が出る多尿では、考える原因や検査が異なります。
頻尿と多尿を分ける
| 状態 | 見られること |
|---|---|
| 頻尿 | 少量を何度もする、何度も構える |
| 多尿 | 1回量や1日量が明らかに増える |
何度も構えるのに出ない場合は緊急性がある
尿道閉塞では、何度も排尿姿勢をとるのにほとんど尿が出ない、痛がる、血尿、嘔吐、元気消失などが見られることがあります。
「回数が多い」と思っていても、実際には尿が出ていない場合があります。出ない・強く痛がる場合はすぐ動物病院へ連絡してください。
水を勝手に減らさない
多飲多尿が疑われても、原因確認前に水を制限しません。腎臓病、糖尿病、ホルモン疾患などで水分要求が増えている場合、水を減らすと危険になることがあります。
飲水量をできる範囲で測る
器へ入れた量と残った量を測り、24時間でどのくらい飲んだか記録します。多頭飼育では正確に測りにくいので、分からない場合は推測せず「未確認」と伝えます。
排尿回数と1回量を記録する
- 1日に何回
- 少量か大量か
- 夜間に増えたか
- 室内で失敗するか
- 排尿時に痛がるか
- 血尿があるか
頻尿で考える原因
膀胱炎、尿路感染、結石、膀胱の刺激などで、少量を何度もすることがあります。
多尿で考える原因
腎疾患、糖尿病、副腎皮質機能亢進症など、全身性疾患で尿量と飲水量が増えることがあります。薬の影響が関係する場合もあります。
受診を優先する状態
- 何度も構えるのに出ない
- 強く痛がる
- 血尿が多い
- 嘔吐・ぐったりを伴う
- 立てない
「いつもの量」と比較できる記録を作る
多尿かどうかを判断するには、普段の排尿回数や飲水量との比較が役立ちます。急に夜間の排尿が増えた、散歩まで我慢できなくなった、水入れを空にする回数が増えたなど、生活上の変化も記録します。
可能であれば数日分の飲水量、排尿回数、食欲、体重の変化をまとめます。ただし、尿が出ない、嘔吐や強い元気消失がある場合は、記録をそろえるために受診を遅らせません。
薬や食事の変更も忘れずに伝える
利尿作用のある薬や一部の治療薬、食事内容の変化などが飲水・排尿へ影響する場合があります。新しく始めた薬、投薬量の変更、療法食への切り替えがあれば、開始日と一緒に伝えます。多飲多尿が疑われても自己判断で水を制限しないことが重要です。
多飲多尿が続く場合は体重変化も確認する
尿量や飲水量の増加に、体重減少、食欲の増減、元気の変化が伴う場合は全身性疾患の手掛かりになります。家庭で体重を測れる場合は、同じ条件で定期的に記録して受診時に伝えます。
シニア犬では「年齢のせいでトイレが近くなった」と考えがちですが、急な変化や長く続く変化は年齢だけで決めつけず、尿検査や血液検査が必要か相談します。
おしっこが多いときは、頻尿・多尿・尿失禁を分けて記録します。特に「何度も構えるのに出ない」は閉塞の可能性があるため、様子見せず受診してください。
尿失禁との違いも確認する
寝ている間に漏れる、本人が気づかないうちに滴る場合は、排尿回数が多いのではなく尿失禁の可能性があります。
採尿は病院の指示に従う
自宅採尿が役立つ場合がありますが、検査目的によって必要な採取方法が違います。容器・保存方法・採取時間を事前に確認します。
病院では尿検査が基本になる
尿比重、pH、血液、糖、蛋白、沈渣などを調べます。感染が疑われる場合は尿培養、全身性疾患が疑われる場合は血液検査、結石や腫瘤が疑われる場合は超音波・レントゲンなどが検討されます。
動物病院で伝えること
- いつから増えたか
- 回数か量か
- 飲水量
- 血尿・痛み
- 夜間の排尿
- 失敗の有無
- 食欲・体重変化
- 現在の薬
- 持病


