犬が足をひきずっているときは、まず無理に歩かせず、足先から体全体まで落ち着いて確認します。足をひきずる「跛行」は病名ではなく、筋肉・骨・関節などの異常や痛みを示すサインです。外傷だけでなく、関節や神経などが関係している場合もあります。
強い痛み、立てない、明らかな変形、大きな傷、出血、呼吸がおかしいなどがある場合は、自宅で様子を見ず、動物病院へ連絡してください。
まず自宅で確認したいこと
犬が足をひきずっているときは、無理に動かす前に症状の出方や足の状態を落ち着いて確認します。いつから・どの足かを最初に確認します。
どの足をかばっているか見る
歩ける範囲で短く観察し、前足か後ろ足か、片足だけか複数の足かを確認します。
足先を目視する
肉球の傷、異物、爪の破損、腫れ、出血などがないか、無理のない範囲で確認します。
腫れや熱感がないか見る
左右を比べて明らかな腫れや形の違いがないか確認します。
痛がる場所を無理に探さない
強く押したり関節を曲げ伸ばししたりすると、痛みを悪化させたり噛まれたりする可能性があります。
受診までにできること
受診までの間は、悪化につながる動きを避けながら、獣医師へ伝えられる情報を整理します。無理に歩かせず状態を記録しておきます。
運動を控える
走る、ジャンプ、階段などを避け、必要以上に歩かせないようにします。
安静にできる場所を作る
滑りやすい床や段差を避け、落ち着いて休める場所へ移します。
足を無理に固定しない
骨折などの可能性がある場合、自己流で添え木や包帯を巻くことは避けます。
症状を動画で撮る
診察室では普通に歩いてしまうこともあるため、跛行しているときの動画が診断の参考になる場合があります。
すぐに動物病院へ相談したいサイン
足をひきずる症状には、早めの相談が必要になる状態もあります。強い痛みや明らかな異常がある場合は受診を優先します。
足をまったく着けない
急に体重をかけられなくなった場合は、骨折や重い関節・軟部組織の損傷なども考えます。
強い痛みや急激な悪化がある
鳴く、触られるのを強く嫌がる、動けないなどがあれば早めに受診します。
大きな傷や出血がある
出血が続く、傷が深い、骨が見えるなどの場合は緊急性があります。
全身状態も悪い
呼吸困難、意識の異常、ぐったりするなどが伴う場合は、跛行だけの問題とは考えず緊急対応を優先します。
様子を見る場合も変化を記録する
一時的に様子を見る場合でも、歩き方や痛がり方などの変化を継続して確認します。良くなっているか悪化しているかを記録します。
いつから始まったか記録する
散歩後、ジャンプ後、起床時など、症状が始まった状況をメモします。
歩き方の変化を撮影する
正面・横・後ろから短い動画を撮ると、診察時に説明しやすくなります。
食欲や元気も見る
痛みや病気では、活動性や食欲など全身状態が変化することがあります。
長引くなら受診する
軽く見えても跛行が続く場合は、動物病院で原因を確認します。
| 状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 軽く、一時的で全身状態も正常 | 安静にして変化を観察 |
| 跛行が続く・繰り返す | 動物病院へ相談 |
| 足を着けない・強い痛み | 早めに受診 |
| 大きな外傷・出血・呼吸異常など | 緊急対応 |
足をひきずる原因は外から見ただけでは分からないことがあります。無理に動かさず、症状の動画や発症状況を記録して受診につなげることが大切です。
参考情報:Merck Veterinary Manual「Lameness in Dogs」/Merck Veterinary Manual「What to Do for Your Pet in an Emergency」






