断水に備える犬の防災対策では、飲み水だけでなく、フードに使う水・食器の衛生・排泄後の清掃・薬の服用まで考えて準備します。
災害時はペット用の支援物資がすぐ届くとは限りません。普段から愛犬が1日にどのくらい水を飲んでいるかを把握し、フードと水を少なくとも5日分、できれば7日分以上備えておくと安心です。
断水対策は「飲み水」「食事に使う水」「衛生用の水」を分けて考えます。飲み水を節約するために犬の飲水量を自己判断で減らさないことが重要です。
まず普段の1日飲水量を把握する
犬に必要な水分量は、体格、気温、運動量、食事内容、持病などで変わります。
体重だけで一律の量を決めるより、平常時に実際どのくらい飲んでいるかを数日記録し、備蓄量の基準にします。
飲み水は少なくとも5日分、できれば7日分以上を目安にする
災害時は給水やペット用支援物資がすぐ利用できるとは限りません。
環境省のガイドラインでは、ペットフードと水を少なくとも5日分、できれば7日分以上備える考え方が示されています。
水の必要量を3つに分ける
- 犬が飲む水
- ドライフードをふやかす・薬を飲ませるための水
- 食器・排泄物・体を清潔にするための生活用水
飲料水と生活用水を一緒に見積もると不足しやすいため、用途ごとに分けて考えます。
飲み水を清掃へ使い切らない
断水時は清掃にも水が必要になります。
飲料用として確保した水は犬と家族の飲用・食事を優先し、清掃には別に準備した生活用水や、水をあまり使わない衛生用品を活用します。
ドライフードをふやかしている犬は追加分を考える
普段からドライフードをふやかしている犬では、その水も備蓄に含めます。
1日分の必要水=飲水+食事に使う水
として記録しておくと、必要量を見積もりやすくなります。
ウェットフードでも飲み水は別に用意する
ウェットフードから水分を取れる場合でも、新鮮な飲み水を別に用意します。
食事に水分が多いからといって、飲み水の備蓄をゼロにしないようにします。
水を節約するために飲水制限をしない
排尿回数を減らしたい、備蓄水を長持ちさせたいという理由で、犬の水を自己判断で制限しないようにします。
特に暑い時期、発熱、嘔吐・下痢、持病がある犬では脱水への注意が必要です。
飲水量が急に変わったら体調を確認する
普段より極端に水を飲む、逆にほとんど飲めない状態は、災害ストレスだけとは限りません。
元気消失、嘔吐、下痢、排尿異常などを伴う場合は、利用可能な動物病院や災害時の動物救護情報を確認します。
水は小分けでも備える
大型容器だけで備えると、持ち出し時に重すぎることがあります。
自宅備蓄用の大きめ容器と、持ち出し用の小分けボトルを分ける方法があります。
実際に持てる重さを確認する
水は量が増えると非常に重くなります。
犬、キャリー、防災バッグ、家族の荷物と合わせ、実際に玄関まで運んでみます。無理な場合は家族で分担し、自宅備蓄と持ち出し分を分けます。
水の保管場所を一か所に集中させない
棚の転倒や部屋への立ち入り不能に備え、可能なら複数の場所へ分散して保管します。
直射日光、高温、容器の破損につながる場所を避け、製品表示に従って保管します。
賞味期限・保存期限を定期的に確認する
備蓄水は購入して終わりではありません。
期限を一覧にし、期限が近づいたものを普段使いへ回して新しいものと入れ替える「ローリングストック」にすると管理しやすくなります。
容器も用意する
断水時には、給水所などから水を持ち帰るための容器が必要になる場合があります。
- 給水用タンク
- 小分けボトル
- 折りたたみ式の給水容器
- 犬用の水皿
などを準備し、普段から一度使って扱い方を確認します。
給水容器は清潔に保管する
長期間しまったままの容器は、いざというときに汚れやにおいが付いていることがあります。
使用前後に洗浄・乾燥し、飲料水用と生活用水用を分けておくと管理しやすくなります。
食器洗いの水を減らす工夫をする
断水時は食器を普段どおり大量の水で洗えないことがあります。
使い捨ての皿や、普段の食器へ被せて使える清潔な袋など、水を節約できる方法を事前に試しておきます。
排泄後の清掃用品を備える
断水すると、トイレ周辺や床の清掃も難しくなります。
- ペットシーツ
- 排泄物を密封する袋
- ウェットタオル
- 清浄綿
- 使い捨て手袋
- タオル
など、水を多く使わずに衛生を保てる用品を準備します。
停電も同時に起きる前提で考える
断水だけでなく停電が同時に起きると、給水ポンプや空調が使えない場合があります。
停電時の室温管理や給水方法もあわせて確認します。
避難所生活の準備も確認する
断水が長引いて避難所を利用する場合に備え、犬の食事・水・排泄・居場所の準備も確認しておきます。
避難所へ持っていく犬用品を整理する
持ち出し品を優先順位で整理しておくと、水を含む重量を調整しやすくなります。
排泄物を流せない前提でも考える
断水時はトイレを通常どおり流せないことがあります。
犬の排泄物を一時保管できるよう、厚手の袋や密封できる袋を多めに準備します。
薬を飲んでいる犬は必要な水も確認する
薬を水と一緒に飲ませている、粉薬を水へ混ぜている場合は、その分の水も必要です。
投薬方法を災害時に勝手に変更せず、平常時に主治医へ「断水時にどう投薬するか」を確認しておくと安心です。
療法食は水とセットで備える
療法食を食べている犬は、一般の支援物資では代替しにくい場合があります。
フードだけでなく、普段の食べ方に必要な水も含めて備蓄します。
水を大量に必要とする食事へ急に変えない
災害時に手元のフードを別の形へ急に変更すると、食欲や便の状態が崩れることがあります。
普段食べ慣れているフードを備蓄し、期限が近づいたら日常の食事で消費して入れ替えます。
自宅待機できる場合も断水対策は必要
建物が安全でも、水道が止まれば生活は大きく制限されます。
在宅避難を選べる場合でも、犬の飲み水・排泄・清掃・室温管理を続けられるか確認します。
避難所へ行く場合も犬用の水を持参する
避難所に給水設備があっても、ペット用の水や容器が十分に用意されているとは限りません。
最初の数日を自分でしのげる分は、飼い主が持参する前提で準備します。
同行避難と同室避難は同じではない
同行避難は、飼い主がペットと一緒に安全な場所まで避難することを指します。
避難所で人と犬が同じ居住スペースに入れるとは限りません。自治体や避難所ごとの受け入れルールを事前に確認します。
避難所での給水方法を自治体に確認する
指定避難所、給水拠点、ペットの受け入れ場所は地域によって異なります。
自治体の防災マップやペット同行避難の案内を確認し、給水容器を持参する必要があるかも確認します。
車で避難する場合も水を積みっぱなしにしない
車内は高温になるため、飲料水やフードを長期間積みっぱなしにする備蓄方法は避けます。
持ち出し時に積める場所を決め、玄関など取り出しやすい位置に準備しておきます。
家族で役割を決めておく
- 犬を確保する人
- 水とフードを持つ人
- 防災バッグを持つ人
- 避難先を確認する人
を決めておくと、発災時に動きやすくなります。
持ち出し袋と自宅備蓄を分ける
7日分すべてを一つのバッグへ詰めると重すぎることがあります。
最初に持ち出す量と、自宅に残す備蓄を分け、避難方法に合わせて管理します。
断水対策チェックリスト
- □ 普段の1日飲水量を把握している
- □ 飲み水を少なくとも5日分、できれば7日分以上備えた
- □ フードをふやかす水も計算した
- □ 飲料水と生活用水を分けた
- □ 水を小分けでも持ち出せる
- □ 給水用容器を準備した
- □ 水・フードの期限を定期的に入れ替えている
- □ ペットシーツ・密封袋・清拭用品を備えた
- □ 薬・療法食と必要な水を確認した
- □ 自宅待機時の水・排泄・清掃方法を決めた
- □ 避難所・給水拠点・ペット受け入れルールを確認した
- □ 家族で持ち出し担当を決めた
犬の断水対策は、ペットボトルを買って終わりではありません。普段の飲水量を基準に、食事・薬・衛生まで含めて水を分けて備蓄し、実際に持ち運べるかまで確認しておきましょう。
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