犬のワクチンはいつ受ける?受診前に知っておきたいこと

犬のワクチンはいつ受ける?受診前に知っておきたいこと

犬のワクチンは、「毎年同じものを同じ時期に打つ」と一律に決めるのではなく、年齢、過去の接種歴、生活環境、感染リスク、体調に合わせて計画します。

また、混合ワクチンと狂犬病予防注射は別に管理します。日本では、狂犬病予防注射は法律上、毎年1回の接種が必要です。一方、混合ワクチンは含まれる感染症や製剤によって接種間隔が異なります。

受診前に確認したいこと

  • 最後にワクチンを受けた日
  • 何種のワクチンを受けたか
  • 子犬期の接種が完了しているか
  • 過去に副反応があったか
  • 持病や現在の薬があるか
  • ドッグラン・ホテル・旅行などの予定があるか

子犬のワクチンは初回シリーズで考える

子犬では、母犬から受け取った抗体の影響を受けるため、1回の接種だけで終わらせず、複数回に分けて初回シリーズを行います。

AAHAのガイドラインでは、ジステンパー・アデノウイルス・パルボウイルスなどを含むコアワクチンについて、16週齢以下の犬では6〜16週齢の間に2〜4週間隔で少なくとも3回の接種を行う考え方が示されています。

子犬期に確認する順番

  1. 現在の週齢を確認する
  2. ブリーダー・ショップ・保護団体での接種歴を確認する
  3. 接種証明書の日付とワクチン名を確認する
  4. 次回接種日を獣医師と決める
  5. 初回シリーズ終了後の追加接種時期を確認する

「1回打ったから完了」と考えず、初回シリーズ全体で管理することが大切です。

成犬は過去の接種歴を確認して計画する

成犬では、過去にどのワクチンを、いつ、何回受けているかによって次の接種計画が変わります。

AAHAでは、ジステンパー・アデノウイルス・パルボウイルスなどのコアワクチンについて、初回シリーズ後の追加接種を行い、その後は3年間隔を基本とする考え方が示されています。

ただし、実際の接種間隔は、使用する製剤、獣医師の判断、犬の健康状態によって異なります。

接種歴が分からない犬は自己判断で空白を埋めない

保護犬や譲渡犬などで接種歴が不明な場合は、「たぶん打っている」と推測せず、分かる範囲の資料を持って動物病院へ相談します。

AAHAでは、接種歴や免疫状態が不明な犬については、個別に接種計画を立てることが推奨されています。

混合ワクチンは生活環境で必要性が変わる

混合ワクチンには、すべての犬で重要とされる感染症に加え、生活環境や地域によって必要性を判断する感染症があります。

確認する環境 獣医師へ伝える内容
散歩 草むら・山・川などへ行くか
他犬との接触 ドッグラン・保育園・イベント利用
宿泊 ペットホテルを利用するか
旅行 国内旅行・海外渡航の予定
地域 地域特有の感染リスク

AAHAでは、ボルデテラ、犬インフルエンザ、ライム病などを生活環境や地域のリスクに応じて検討する非コアワクチンとして扱っています。

「何種が多いほど安心」ではなく、その犬に必要な感染症を選ぶことが重要です。

狂犬病予防注射は混合ワクチンと別に考える

日本では、犬の飼い主には狂犬病予防法に基づき、飼い犬へ毎年1回の狂犬病予防注射を受けさせる義務があります。

厚生労働省は、生後91日以上の犬について、毎年1回の狂犬病予防注射を受けさせることを案内しています。

狂犬病予防注射で確認すること

  • 今年の接種が済んでいるか
  • 注射済票の手続き
  • 集合注射か動物病院か
  • 持病などで接種について相談が必要か

狂犬病予防注射について詳しく確認したい場合は、専用記事で整理できます。

ワクチンは体調がよい日に受ける

ワクチン接種は、犬の体調を確認したうえで行います。

接種予定日に、

  • 発熱が疑われる
  • 嘔吐・下痢がある
  • 食欲が落ちている
  • ぐったりしている
  • 持病が悪化している

といった変化がある場合は、予定どおり接種してよいか病院へ連絡します。

予約日だからと、体調不良を隠して接種を優先しないことが大切です。

持病や治療中の薬は事前に伝える

持病がある犬、治療薬を使っている犬では、接種時期を調整する場合があります。

事前に伝える内容

  • 診断されている病気
  • 現在使っている薬
  • サプリメント
  • 過去の手術歴
  • 過去のワクチン副反応

薬を自己判断で中止せず、接種当日の服薬をどうするか病院へ確認します。

過去に副反応があった犬は必ず伝える

以前のワクチン接種後に体調変化があった場合は、その内容と時期を伝えます。

  • 顔が腫れた
  • じんましんのような皮膚症状
  • 嘔吐
  • 強い元気消失
  • 呼吸の異常

などがあった場合は、接種計画や接種後の観察方法を獣医師と相談します。

接種当日はその後の予定を詰め込みすぎない

接種後に体調変化がないか確認できるよう、長時間の留守番、激しい運動、長距離移動などは避けやすい日に予定します。

接種後に確認したいこと

  • 顔の腫れ
  • 嘔吐
  • 呼吸の異常
  • 強いぐったり
  • 倒れる・意識がおかしい

顔の腫れ、呼吸困難、倒れるなど急な強い症状があれば、すぐ動物病院へ連絡してください。

軽いだるさと重い副反応を分けて考える

接種後に一時的に眠そうになる、注射部位を気にするなどの変化が見られることがあります。

一方、呼吸困難、顔の腫れ、繰り返す嘔吐、虚脱などは、軽い反応として長く様子を見るべき症状ではありません。

接種前に「どの症状ならすぐ連絡するか」を確認しておくと判断しやすくなります。

接種証明書は保管する

接種後は、ワクチンの種類と接種日が分かる証明書を保管します。

ペットホテル、ドッグラン、トリミングサロンなどで証明書の提示を求められる場合があります。

保存する情報 内容
接種日 いつ受けたか
ワクチン名 何を接種したか
次回予定 いつ再相談するか
副反応 接種後に変化があったか

旅行・ホテル利用の直前ではなく余裕を持って相談する

ペットホテルやイベントによっては、一定期間内のワクチン接種証明を求められる場合があります。

利用直前に慌てて接種するのではなく、予約条件を確認し、余裕を持って動物病院へ相談します。

海外渡航では、狂犬病ワクチン、抗体検査、検疫手続きなど別の条件が必要になる場合があるため、さらに早めの準備が必要です。

費用は接種料だけでなく診察・証明書も確認する

ワクチン接種時の費用は、病院によって内訳が異なります。

  • 診察料
  • ワクチン代
  • 接種証明書
  • 必要な追加検査

などが含まれるかを確認します。

狂犬病予防注射では、注射済票に関する手続きも別に確認します。

毎年「今年は何が必要か」を確認する

犬の生活環境は変わります。

  • ドッグランへ行くようになった
  • ホテルを利用するようになった
  • 引っ越した
  • 高齢になった
  • 持病が見つかった

といった変化があれば、必要なワクチンや接種時期も見直します。

犬のワクチンは、子犬期の初回シリーズ、成犬の追加接種、生活環境で選ぶワクチン、毎年1回の狂犬病予防注射を分けて管理し、その年の体調と感染リスクに合わせて獣医師と計画することが大切です。