犬の予防接種そのものの費用は、病気やケガの治療を補償する一般的なペット保険では、対象外とされることが多い項目です。ただし、接種後に治療が必要になった場合や、ワクチンで予防できる病気にかかった場合は、別の条件を確認します。
分けて考えたいのは、ワクチンを打つ費用、接種後の異常への診療費、感染症の治療費の三つです。同じ「ワクチンに関係する費用」でも、扱いは同じではありません。
予防接種の費用は、治療費と分けて予算に入れる
健康な状態で行う接種は、病気を治す診療とは目的が異なります。ワクチン代のほか、接種前の健康確認や証明書などを含め、どこまでが予防に伴う費用かを確認します。
| 支払う内容 | 保険で確認すること |
|---|---|
| 予防目的のワクチン接種 | 基本補償の対象外か、別のサービス等があるか |
| 予防接種に伴う診察・検査 | 予防目的として除外される範囲 |
| 同日に相談した別の病気 | その診療の目的、診断、対象項目を分けて確認 |
| 接種証明書などの発行 | 文書料の対象外規定 |
接種を受けた日に別の症状を診てもらったからといって、会計全体が予防費用になるとも、全体が治療費になるとも限りません。実際の診療内容が分かる明細を受け取ります。
同日会計でも、割合を掛ける対象額は区別する
例えば、予防関連費用8,000円と、別の病気の対象診療費4,000円を支払う架空例を考えます。後者だけが対象で、割合70%、免責なし、上限・日数も十分なら、保険金は2,800円です。
会計12,000円に70%を掛けるわけではなく、最終負担は9,200円です。この数字はワクチン代の相場でも実際の商品事例でもありません。対象判定と契約条件が違えば結果も変わります。
関連:予防接種に関するペット保険の条件を比較|対象外と例外の読み方
接種後に体調を崩した場合は、治療を優先する
ワクチン代が対象外でも、接種が原因で生じた傷病の治療について、例外を設けている保険があります。第一アイペットの対象外案内にも、この治療費を予防費用の除外から除く記載があります。
ただし、接種後に起きた症状がすべてワクチンによるものとは限りません。症状と診断、発症時期を基に確認されるため、自分で因果関係を決めず、獣医師へ経過を伝えましょう。
呼吸が苦しい、倒れる、顔が急に腫れるなどの異常は、保険確認を待たず直ちに動物病院へ連絡して受診してください。
繰り返す嘔吐など、気になる変化も接種した病院へ相談します。接種日時と変化に気付いた時刻を伝え、記録は診療の妨げにならない範囲で残します。
保険会社には、状態が落ち着いてから接種日、症状、診断、治療内容を伝えます。対象になる場合も通院・入院などの区分、免責、上限、補償開始前の症状といった条件は残ります。
予防できる病気の治療には、別の対象外規定がある
予防接種代の対象外規定と、予防できる感染症の対象外規定は別です。前者だけを読んで、感染症になったら通常どおり補償されるとは判断できません。
接種歴や健康上の理由による例外を確認する
契約によっては、予防措置の有効期間内の発症や、健康上の理由で接種できないと獣医師が判断した場合などに、例外が設けられています。必要な条件と資料は、その商品で確認してください。
過去に接種したことがあるだけで十分か、有効期間や対象疾病をどう確認するかも重要です。証明書、接種日、接種した製剤の情報などを保管しておきます。
接種の可否や種類・時期は獣医師と相談し、保険上の例外条件は保険会社へ確認します。医学的な判断と保険金の判断を混同しないようにしましょう。
未接種でも加入できるかと、病気が補償されるかは別
未接種という理由だけで、すべての保険に申し込めないとは限りません。例えば第一アイペットは、予防接種をしていなくても申込み可能と説明しつつ、予防できる病気では支払われない場合があると案内しています。
加入できたことを、未接種で発症した感染症も無条件に対象という意味には受け取らないでください。申込みや契約後の連絡で接種情報を求められる場合は、各社の手順に従います。
過去の接種で異常があった犬や、治療中の犬は、獣医師へその経過を伝えて今後の予防を相談します。自己判断で接種を増やしたり、保険のために無理に接種したりする必要はありません。
受診後の請求に必要な記録をそろえる
予防接種とその後の診療は、日付と費用を分けて記録します。別の病院や夜間病院を受診した場合も、それぞれの明細を保管しましょう。
保管しておきたいもの
- 接種日、病院名、ワクチンの種類が分かる証明書
- 接種前の体調と、接種後に変化が出た経過
- 診療日、処置、薬、費用が分かる明細と領収書
- 商品・プラン名、補償開始日、個別の引受条件
- 接種できない理由に関する獣医師の記録と、保険会社が求める資料
文書を新たに依頼する前に、既存の明細で足りるかを保険会社へ確認すると、不要な文書料を避けやすくなります。窓口精算が使えない場合の請求方法と期限も聞いてください。
次の接種を相談するときは、予定している予防費用を自費の予算へ入れ、保険には関連する治療の条件を確認します。過去の反応と証明書を一緒に管理すれば、病院への相談と保険の照会に使えます。