ドッグフードの原材料に「サーモン」と書かれていると、魚を使ったフードという印象を持ちやすいですが、サーモンは主に動物性たんぱく源や脂質源として使われ、表示のされ方によって役割が異なります。
「生サーモン」「乾燥サーモン」「サーモンミール」「サーモンオイル」では、同じサーモン由来でも水分量や使われ方が違います。原材料表では名前だけで良し悪しを決めず、どの形で、どの位置に、ほかの原料とどう組み合わせて使われているかを確認しましょう。
「サーモン入り」だけではフード全体の栄養価や品質は判断できません。原材料順、保証成分、カロリー、栄養適合性、愛犬が避ける必要のある原料までセットで確認します。
サーモンはドッグフードで何のために使われる?
サーモンは、ドッグフードでは主に動物性原材料の一つとして使われます。製品によって、生の魚肉、乾燥原料、油など形が異なります。
| 表示例 | 主な見方 |
|---|---|
| 生サーモン・サーモン | 魚肉由来のたんぱく源として使われる |
| 乾燥サーモン・サーモンミール | 水分を減らした魚由来原料として使われる |
| サーモンオイル | 脂質源として使われる |
同じ「サーモン由来」でも、魚肉と油では役割が同じではありません。
サーモンはたんぱく源として使われる
犬に必要なたんぱく質は、筋肉、皮膚、被毛など体を構成する材料になります。サーモンを魚肉として使う場合は、動物性たんぱく源の一つになります。
ただし、原材料表にサーモンがあるだけで、フード全体のたんぱく質量やアミノ酸バランスまでは分かりません。
確認するときは原材料表だけでなく、保証成分の粗たんぱく質や、そのフードが主食として適切に設計されているかも見ます。
サーモンオイルは魚肉とは別に見る
「サーモンオイル」と書かれている場合は、魚肉そのものではなく脂質源として配合されています。
魚由来の油にはオメガ3系脂肪酸を含むものがありますが、「サーモンオイルが入っている=その量だけで特定の健康効果が保証される」という意味ではありません。
脂質や脂肪酸について知りたい場合は、原材料名だけでなく、成分表示やメーカーが公表する栄養情報まで確認します。
生サーモンと乾燥サーモンは同じ重さで比べない
原材料は一般に、製造時に投入される重量の多い順に表示されます。AAFCOも、原材料は配合時の重量に基づき多い順で表示すると説明しています。
生の魚には水分が多く含まれるため、生サーモンが原材料表の上位にあっても、乾燥後の栄養寄与をその順位だけから判断することはできません。
一方、乾燥サーモンやミール状の原料は、加工によって水分が少なくなっています。AAFCOは「meal」について、加熱・処理後に水分や脂肪の多くを除き、粉砕した原料として説明しています。
原材料順位を見るときの注意
- 順位は配合時重量を基準にする
- 生原料と乾燥原料では水分量が違う
- 1番目の原料だけでフード全体を判断しない
「サーモンが1番目だから良い」とは限らない
原材料表の先頭にサーモンがあれば、その原料が配合時重量で多いことは読み取れます。しかし、それだけでフード全体の栄養設計や品質を評価することはできません。
WSAVAも、原材料リストだけでは原料の品質やフード全体の品質を判断できず、栄養適合性やメーカー情報なども重要だと案内しています。
見る順番としては、
- 用途・対象年齢
- 栄養適合性
- 保証成分
- カロリー
- 給与量
- 原材料
のように、フード全体を確認する方が実用的です。
「サーモン味」と「サーモンを主原料に使う」は同じとは限らない
商品名に「サーモン」と書かれていても、実際にどの程度使われているかは商品名だけでは分かりません。
AAFCOでは商品名の付け方に一定のルールがあり、「with」や「flavor」など表現によって必要な含有量の考え方が異なります。
日本の商品では表示ルールが異なるため、商品名だけで判断せず、必ず実際の原材料表示を確認することが大切です。
「魚を使っている=鶏肉を使っていない」とは限らない
サーモンを使うドッグフードでも、鶏肉、チキンオイル、ポーク、卵など別の動物性原材料を併用している商品があります。
実際、既存サイト内のモグワン「チキン&サーモン」では、HDPチキン生肉、生サーモン、乾燥チキン、乾燥サーモン、チキングレイビー、サーモンオイルが記載されています。fileciteturn27file7
鶏肉など特定原料を避ける必要がある犬では、「サーモン」という商品名だけで選ばず全原材料を確認してください。
食物アレルギーがある犬では「サーモンだから安心」と決めない
食物アレルギーが疑われる場合、特定のたんぱく源を避ける必要があることがあります。しかし、魚なら必ず問題が起きないわけではありません。
また、サーモン主体に見える商品でも、別の動物性原材料や動物性油脂を含む場合があります。
食物アレルギーの診断や除去食試験を行っている犬は、自己判断で「サーモンなら大丈夫」と切り替えず、獣医師の指示を優先してください。
サーモンと白身魚は同じ扱いではない
原材料表では「魚」という大きなくくりではなく、サーモン、白身魚、マグロなど具体的な魚種が書かれている場合があります。
それぞれ脂質量や原料の形が異なるため、単に「魚だから同じ」とは考えません。
白身魚について詳しく見る場合は、別記事で整理しています。
サーモンと魚油・オメガ3脂肪酸を混同しない
サーモン自体を使うことと、魚油やオメガ3脂肪酸を配合することは同じではありません。
サーモンを原材料に使っていても、製品としてどの程度の脂肪酸が含まれるかは、原材料表だけでは判断できません。
逆に、サーモンを主原料にしていなくても、魚油などから脂肪酸を加える商品があります。
原材料表ではサーモンの周囲も確認する
サーモンだけを見て終わらず、前後に何が並んでいるかも確認します。
- ほかの動物性たんぱく源
- 穀類・いも類・豆類
- 油脂類
- 食物繊維源
- ビタミン・ミネラル類
- 愛犬が避ける必要のある原料
原材料表は「サーモンがあるか」を確認するだけでなく、フード全体の構成を見るために使います。
原材料だけでなく保証成分とカロリーも見る
同じサーモン入りフードでも、たんぱく質、脂質、カロリー、給与量は商品によって異なります。
| 確認項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 粗たんぱく質 | フード全体のたんぱく質量を見る |
| 粗脂肪 | 脂質量の目安を見る |
| カロリー | 体重管理や給与量計算に使う |
| 給与量 | 愛犬が1日に食べる量を確認する |
原材料名の印象だけでは、実際にどのくらいの栄養を摂るか分かりません。
「サーモン使用」だけでフードを選ばない
サーモンが愛犬に合いそうでも、毎日の主食として選ぶなら次も確認します。
- □ 犬用のフードか
- □ 主食なら総合栄養食か
- □ 年齢・ライフステージに合うか
- □ サーモンがどの形で使われているか
- □ ほかの動物性原材料を確認した
- □ 保証成分を確認した
- □ カロリーを確認した
- □ 1日給与量を確認した
- □ 避ける必要のある原料がないか確認した
- □ 購入時の最新ラベルを確認した
原材料の配合内容は商品リニューアルなどで変わることがあります。以前確認した商品でも、購入時には最新の表示を見直します。
サーモン入りフードが合うかは実際に与えた後も確認する
原材料表を確認して選んだ後も、食欲、便、体重、皮膚・被毛などの変化を見ます。
サーモン入りだから必ず食いつきが良い、皮膚や被毛に良い、と一律に決めることはできません。
繰り返す嘔吐や下痢、強いかゆみなど気になる変化がある場合は、フードの自己判断だけで対応せず動物病院へ相談してください。
サーモンはドッグフードで動物性たんぱく源や脂質源として使われますが、「サーモン入り」という一点だけでフードの良し悪しは決まりません。表示の形・全原材料・成分・カロリー・給与量を合わせて確認しましょう。


