犬の防災バッグは、災害が近づいてから準備するのではなく、犬を迎えて生活が落ち着いた段階で少しずつ用意しておくのがおすすめです。
地震、台風、大雨、停電などは、必要な物を買いに行けない状況で起こることがあります。完成品を一度にそろえる必要はありませんが、最低限の持ち出し品から準備しておくと安心です。
防災バッグは「用品を詰めるだけ」で終わりではありません。避難場所、避難経路、同行避難の可否、犬を運ぶ方法まで含めて準備します。
防災バッグが必要になる場面
防災バッグについては、まず「犬を迎えたら早めに準備を始める」を確認すると、その後の判断を組み立てやすくなります。
犬を迎えたら早めに準備を始める
子犬・成犬・シニア犬を問わず、災害はいつ起こるか分かりません。
犬を迎えた直後は生活用品が優先されますが、食事やトイレなどが整ったら、防災用品も少しずつ追加します。
一度に全部そろえなくてもよい
最初から高額な防災セットを購入する必要はありません。
普段使っている用品の予備を、防災用として分けて保管する方法もあります。
まず「持ち出す物」と「自宅に備蓄する物」を分ける
防災用品をすべて1つのバッグへ入れると、重すぎて持ち出せないことがあります。
すぐ持って避難する物と、自宅で使う備蓄品を分けます。
持ち出し品は命と移動に関わる物を優先する
最優先で考えたいのは、犬を安全に連れて移動するための用品です。
- リード
- 首輪・ハーネス
- キャリー・クレート
- 迷子札
- フード
- 飲み水
- 常用薬
これらは、避難開始直後から必要になる可能性があります。
フードは普段食べている物を準備する
災害用だからと、普段食べていないフードへ急に変える必要はありません。
日常的に食べているフードを少し多めに保管し、古いものから使うローリングストックにすると管理しやすくなります。
療法食は一般フードと分けて考える
療法食を食べている犬では、災害時に代替品がすぐ手に入るとは限りません。
保管量や代替方法については、かかりつけの獣医師へ相談しておきます。
防災バッグを選ぶ前の確認
防災バッグについては、まず「飲み水は犬用として確保する」を確認すると、その後の判断を組み立てやすくなります。
飲み水は犬用として確保する
人と共用できる水でも、家族分だけで使い切らないよう、犬の分も含めて備蓄量を考えます。
携帯ボウルや折りたたみ容器があると持ち出しやすくなります。
常用薬は防災バッグの重要品
毎日薬を飲んでいる犬では、薬が切れると困ります。
保管方法や追加処方の可否について、平常時に動物病院へ確認しておきます。
薬の名前と投与量を記録する
薬そのものだけでなく、薬名・投与量・回数が分かる記録も用意します。
スマートフォンへ写真を保存し、紙でも控えておくと確認しやすくなります。
排泄用品も必要になる
避難生活では、普段と違う場所で排泄することになります。
- ペットシーツ
- うんち袋
- ティッシュ
- ウェットシート
- 消臭用の袋
などを用意します。
タオルや毛布は多用途に使える
タオルは体を拭く、敷物にする、保温するなど複数の用途で使えます。
大きくかさばる物を増やしすぎず、用途の広い物を優先します。
キャリーやクレートは普段から慣らす
環境省は、災害時にペットと同行避難できるよう、日頃からキャリーバッグやケージに入ることへ慣れさせておくことを案内しています。
防災バッグを用意しても、犬がキャリーへ入れなければ移動が難しくなります。
キャリーは当日初めて使わない
普段から短時間入る、扉を開けた状態で休むなど、少しずつ慣らしておきます。
災害時だけ突然使う用品にしないことが大切です。
防災バッグを安全に使うための確認
防災バッグでは、事故や使いにくさを避けるため、まず「同行避難は「避難所で一緒に過ごせる」という意味ではない」から安全面を具体的に確認します。
同行避難は「避難所で一緒に過ごせる」という意味ではない
同行避難とは、災害時に飼い主がペットを連れて避難行動をすることです。
避難所で人と犬が同じ部屋で生活できることを自動的に意味するものではありません。
避難所のペット受け入れ条件を確認する
環境省も、指定避難場所でペットとの同行避難が可能か、注意事項を自治体へ事前確認するよう案内しています。
受け入れ場所、ケージの必要性、犬の飼養場所などは地域で異なるため、居住自治体の最新情報を確認します。
避難先を1か所だけにしない
災害の種類や被害状況によって、いつもの避難所が使えない場合があります。
自治体指定の避難所だけでなく、親族宅、知人宅、車中避難など複数の選択肢を検討します。
ハザードマップと避難経路を確認する
防災バッグがあっても、安全な経路を知らなければ避難が遅れる可能性があります。
洪水、土砂災害、津波など、地域ごとのハザードを確認します。
迷子札と連絡先を準備する
災害時は、普段より犬が逃げるリスクが高まります。
迷子札には、現在つながる電話番号を記載します。
迷子札はいつから必要?も参考になります。
GPSは補助として使う
GPS端末があれば位置確認の助けになる場合がありますが、電池切れや通信圏外では使えないことがあります。
GPSはいつから必要?も用途を分けて確認できます。
防災バッグの手入れ・継続利用
防災バッグを使い続ける前提で、「犬の写真と健康情報を用意する」を含む日常管理と交換判断を確認します。
犬の写真と健康情報を用意する
犬とはぐれた場合に備え、全身写真と顔が分かる写真をスマートフォンへ保存します。
ワクチン接種歴、持病、薬、かかりつけ病院などもまとめておくと便利です。
紙の控えも用意する
停電やスマートフォンの電池切れを考え、重要情報は紙でも持っておくと安心です。
防水袋などへ入れて保管します。
防災バッグの重さを実際に持って確認する
用品を詰めすぎると、犬を連れて持ち出せなくなります。
完成後はバッグを背負い、犬のリードやキャリーも持った状態で玄関から移動できるか試してください。
大型犬では家族で荷物を分担する
大型犬ではフードや水、キャリー関連用品の重量が大きくなります。
家族がいる場合は、誰が犬を担当し、誰が荷物を持つか決めます。
一人暮らしでは軽量化を優先する
飼い主が一人の場合、犬と荷物を同時に運ぶ必要があります。
バッグを2つに分けるより、持ち出し品を厳選した方がよい場合があります。
季節用品は入れ替える
夏は暑さ対策、冬は防寒用品が必要になります。
一年中同じ内容にせず、季節の変わり目に中身を確認します。
フードと薬の期限を定期確認する
防災バッグへ入れっぱなしにすると、期限切れに気づかないことがあります。
定期的に期限を確認し、古いものから日常で使って入れ替えます。
防災バッグの比較と最終判断
防災バッグについては、まず「電池やモバイルバッテリーも確認する」を確認すると、その後の判断を組み立てやすくなります。
電池やモバイルバッテリーも確認する
ライト、GPS、スマートフォンなどを使う場合は、充電手段も必要です。
モバイルバッテリーは定期的に残量を確認します。
犬の体格や年齢が変わったら内容を見直す
子犬の成長、シニア期、病気の発症などで必要な物は変わります。
キャリーのサイズ、フード、薬、排泄用品などを見直します。
最低限の優先順位を決める
| 優先度 | 準備する物 |
|---|---|
| 最優先 | リード・首輪/ハーネス・キャリー・迷子札 |
| 生命維持 | フード・水・常用薬 |
| 衛生 | 排泄用品・タオル・袋 |
| 情報 | 写真・健康情報・連絡先 |
| 補助 | ライト・GPS・モバイル電源など |
市販セットは中身をそのまま信用しない
犬用防災セットとして販売されていても、自分の犬に必要な物がすべて入っているとは限りません。
フード、薬、サイズの合うリードやキャリーなどは個別に確認します。
防災バッグを比較するなら中身と重量を見る
バッグ本体の価格だけでなく、容量、背負いやすさ、防水性、犬用品を入れた後の総重量まで確認します。
防災バッグを比較するときの5項目も参考になります。
防災バッグは「災害前」に準備して使える状態にする
防災バッグは、災害が起きてから買う用品ではありません。
犬を迎えて生活が整ったら、移動用品、フード・水、薬、排泄用品、情報類から順に準備し、避難経路と自治体のペット受け入れルールまで確認しておきましょう。