犬が足をひきずるのは病気のサイン?

犬が足をかばったり、引きずったりしている場合、怪我をしたことも考えられますが、病気の可能性も高いです。足を引きずる症状から考えられる、病気の一部をご紹介します。

前立腺腫瘍」…前立腺腫瘍になると、尿が出にくくなり、便秘になるといった症状が現れます。

症状が進んでいくと、腰やお腹までに痛みが広がり、歩くときに足を引きずるようになります。前立腺だけでなく肺など他の臓器に転移すると他の症状を引き起こすことも。

前立腺腫瘍のその多くは、悪性のがんである可能性が高く、発見された時点では手遅れになっているケースが大半です。

摘出手術を行うこともありますが、完治することは稀だといいます。原因はまだわかっていませんが、性ホルモンが関係していると考えられています。

関節リウマチ」…免疫機能の異常によって引き起こされると考えているのが、関節リウマチです。発症すると、起床時や休んだ後に関節が痛み、腫れが現れるほか、発熱や食欲低下もみられ、足を引きずるようになります。

進行性の病気なので、放置すると関節の変形が進み痛みや腫れは悪化します。若いほど進行が早く、犬種としてはミニチュア・ダックス、シェトランド・シープドッグ、シーズー、マルチーズ、プードルなどの小型犬に多く見られるようです。

前十字じん帯断裂」…大たい骨と、けい骨をつなぐ前十字じん帯が切れてしまう病気です。原因は、激しい運動をしたことや、事故などが考えられ、老化によるじん帯の虚弱化や肥満による負担なども要因としてあげられます。

急性断裂の場合は後ろ足をあげたまま跛行する仕草が見られ、慢性化すると足をひきずり、立つなどの動作が辛そうな様子が見られます。

体重が重い犬の場合は、変形性骨関節症を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。

ライム病」…ボレリアという細菌がマダニに媒介されることで感染が起こる病気です。感染しても症状を現さないことが多く、感染した犬の5%に症状がみられるようです。

中でもよく見られるのは多発性関節炎によるもので、関節が腫れるのが特徴。これに伴い足を引きずるようになります。

他にも発熱、食欲不振、リンパ節の腫れが見られることもあり、急性腎不全を招くこともあります。人にも感染する人獣共通感染症なので、飼い主も注意が必要です。

 

他にも足を引きずる病気は多数考えられますので、気になる症状があればすぐにでも獣医さんに相談しましょう。

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犬が過剰に足をなめるのは病気か?

足先や、足の裏などを執拗に舐める行為は、飼い主にとって気になる行為です。何か病気ではないかと疑うこともあるでしょう。

何かしらの病気も考えられますが、過度なストレスを感じることで過剰グルーミングをしている可能性が考えられます。

また、爪がのびてしまった時によく足先を舐めたりするなど、何らかのサインであることは間違いありません。

愛犬が頻繁に足をなめているようでしたら、生活環境に問題はないか、爪はのびていないか、他に症状はないかをよく観察し、原因がわからない場合は獣医に相談するようにしましょう。病気の場合は、このようなものが考えられます。

皮膚病」…皮膚病の多くがかゆみを伴うため、足をなめる行為をよくみかけるはずです。アレルギーなどでも皮膚炎を発症しますが、犬に多い皮膚病が、「膿皮症」です。

膿皮症とは、細菌の増殖によって皮膚が部分的に赤くなりかゆみを伴う病気のことで、指の間、顔、脇、股の内側によく現れます。原因は細菌の異常増殖ですが、犬の皮膚にはもともと細菌は多少なりとも付着しているもの。

通常被害のない細菌も、犬の免疫力が低下したときなどに一気に増殖し症状を引き起こします。初期の段階では皮膚の表面の赤い発疹のみですが、病状が進行すると病変部が赤くなり、中心部は黒ずんでいきます

特にかゆみが強いのが特徴で、ひっきりなしになめることから毛が抜けてしまうことがよくあり、さらに悪化すると患部が腫れあがり、痛みを生じ、発熱も伴うようになるので早めの治療が大切です。特に夏に起こり易い皮膚病です。

有毒生物に刺された」…散歩で外出した際などに、有毒生物に足をさされた場合、足を執拗になめている場合があります。

原因となる生物としては、蜂、蚊、ブヨ、ガ、アブなどのほか、ムカデ、ヘビなどの場合もありますし、海ではクラゲといった可能性も考えられます

患部をなめたり引っかいたりしている他、患部が腫れ、嘔吐やよだれが見られ、チアノーゼを起こし、最悪の場合は死に至ることもあります

刺した生物がミツバチだとわかっている場合には、刺さっている針を抜いて患部を冷やしてあげる程度でも治癒するのですが、明らかに有毒な生物である場合や、何に刺されたかわからない場合にはすぐに獣医さんの元へ連れて行くようにしましょう。

また、有毒生物に刺されるのが二回目だった場合は、アナフィラキシーショックを起こす危険性もあるので、ぐったりしている場合は特に早急に獣医さんに相談しましょう。

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犬の足に腫れ・腫瘍~考えられる病気とは

愛犬の足がいつもより腫れていたり、腫瘍ができたりしている場合、何らかの病気が考えられるので獣医に診察してもらうようにしましょう。犬の足が腫れる病気、腫瘍ができる病気がこちらです。

指間炎」…その名の通り、指の間や肉球周辺にできる皮膚の炎症や赤い腫れのことをいいます。

肉球そのものに炎症が起きるケースは少なく、指と指の間に炎症が見られることがほとんどで、赤く腫れて化膿することもあり、何度も噛んだり舐めたりしているうちに患部に犬の口内細菌が付着し、症状が悪化していきます。

最初のうちはかゆみが生じるだけですが、次第に腫れが出てくるようになり、触ろうとすると嫌がるようになります。症状が進むと膿が発生し、脱毛することもあります

指間炎は一度なるとなかなか治りにくく、完治しても再発を繰り返してしまう場合も多いといわれているので、改善に向かうようこまめなケアが大切です。

骨肉腫」…骨肉腫は代表的な骨の悪性腫瘍です。骨肉腫が発生すると激しい痛みを生じ、足が腫れ、足を引きずって歩くなどの症状が現れます。

犬の骨肉腫は足に現れることが多いのですが、顎の骨に現れることもあり、進行がとても速いうえに転移することが多く、発見されたときにはすでに転移が進んでいるケースが多いといわれています。

骨肉腫の原因は今のところ不明。ゴールデン・レトリーバー、グレート・ピレニーズ、ラブラドール・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなどの大型犬で、7歳前後の犬に発症する例が多いようです。

治療をしても完全に治るのは難しく、再発する可能性があります。

悪性リンパ腫」…免疫器官であるリンパ節に、何らかの原因で腫瘍性をもったリンパ球が留まり、腫瘍となって広がる病気です。

一般的には、足の付け根、あごの下、脇の下、胸腔、腹腔といった部位で発症し、大半は体の表面にあるリンパ節が腫れる症状だといいます。

足の付け根に腫瘍ができると、元気がなくなり、食欲が低下する程度の症状が現れます。劇的に症状が現れるわけではないので、早期発見ができないことも多いといわれています。

足の付け根だけでなく、あごの下、脇の下、ひざの後ろにあるリンパ節を触ってみて、犬にこれといった症状もないのに2カ所以上腫れがある場合は悪性リンパ腫の可能性を疑ってみましょう

早期治療が何よりも大切ですが、治療せずにいると、発生から3ヶ月程度で死に至ります。

犬の足の震え~考えられる病気とは

寒さや恐怖を感じていると、全身が小刻みに震えることがありますが、足のみ、部分的に震えが生じている場合は何らかの病気の可能性を疑ってみましょう。足の震えを伴う病気をご紹介します。

ジステンバー」…排泄物中に出るジステンバーウィルスから感染すると、死亡率が極めて高い伝染病です。

高熱、下痢、嘔吐、くしゃみ、鼻水といった症状が現れ、食欲と元気がなくなり、病気が進行していくと神経系に症状が現れ足が震えるようになります。

感染経路が空気感染であるため、多頭飼いの場合すぐに広がってしまいます。ジステンバーはワクチンで予防できるので、子犬のときと、老犬になってからはワクチンを必ず受けるようにしましょう

中毒」…中毒になると、震えが現れ、足をつっぱって泡を吹き、昏睡状態に陥ります。原因は、殺虫剤、除草剤、タバコ、洗剤、石鹸などさまざま

人間が食べるもので中毒を起こすこともあり、最も多いといわれているのが玉ねぎです。チョコレート、ニンニクなども中毒を引き起こす恐れがあるので犬に触れさせないよう気をつけましょう。

中毒を起こす対象が体に触れてしまった場合はシャワーなどで十分に洗い流し、口に含んでしまった場合は水をたくさん飲むなどの応急処置を行います。その後すぐに動物病院に連れて行くようにしましょう。

低血糖症」…こちらは、足だけでなく全身にけいれんを引き起こす病気です。血液中の糖が下がりすぎると、体細胞はおもなエネルギー源を失います。

低血糖はさまざまな原因によって起こりますが、もっとも多い原因のひとつが糖尿病治療中のインスリン過剰投与です。

発症する犬には老犬が多く、最近なんだか元気がない、歩いているときにふらふらしている、体が震えている、という場合は老化現象だと思わず低血糖症を疑ってみましょう。

子犬の場合はブドウ糖を与えることによって治療を行いますが、成犬であれば食餌療法により一時的に症状がおさまります。基本的には薬を用いた治療が適用されるでしょう。

犬の足の麻痺~考えられる病気

一日中、長時間にわたり首や背中に無理な力がかかっていた場合や、事故で背中を強打した犬などは、全身・足の麻痺を引き起こしてしまうことがあります。

足の麻痺を起している場合、特に考えられる病気が「椎間板ヘルニア」です。

椎間板ヘルニアは、脊椎の骨の間にはさまっている椎間板が圧迫され、押しつぶされた状態になってしまう病気で、ダックスフントやコーギーのように胴長短足の犬種や、加齢により骨に負担がかかっている老犬、激しい運動を繰り返し背中に負担をかけている犬などに起こり易いといわれています。

脊椎に負担をかけないためにも、抱いた犬を降ろすときに、途中で手を離すといった行為はやめましょう

また、抱き上げる際にもお腹の下を手で優しく支えてあげ、ゆっくりと地面と水平に抱きかかえてあげると骨への負担も和らぎます。

普段の生活の中で負担となっているのが、ツルツル滑るフローリング。足で踏ん張れないため、脊椎に負担がかかり急性で椎間板ヘルニアを起こしやすいので、フローリングに滑り止めやじゅうたんを敷くなどする工夫が必要でしょう。

また、足の麻痺を引き起こしている場合はこのような病気も考えられます。

変形性脊椎症」…椎体から骨組織の一部が椎間板領域にかけてトゲ状の突起などを形成してしまう病気です。普段の姿勢、運動、栄養状態などが深く関わっており、老犬に多くみられるようです。

無症状のこともありますが、周囲の神経や臓器を圧迫することで足の麻痺が起こり、排泄障害や、ふらつき、歩行困難といった症状が現れます。

治療は抗生剤や鎮痛剤などを用いるほか、神経賦活剤などを使用する対症療法が一般的です。

ナルコレプシー」…ナルコレプシーとは、慢性の睡眠疾患です。症状は、自分で睡眠を制御することができずに、食事中でも遊んでいる最中でもふっと意識が飛び、脱力発作を起こしてしまうというもの。

犬の発症は珍しいといわれていますが、遺伝性も考えられ、覚醒を司る脳内たんぱく質の不足が原因だといわれています。

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老犬に起こりやすい「突発性前庭疾患」

犬の老年期に起こりやすい「突発性前庭疾患」、別名「老年性前庭症候群」などとも呼ばれている病気は、原因不明で突然起こります

年老いていくうちに、足腰が弱くなって立ち上がるのに苦労したり、うまく歩けなくなったりすることがあるのですが、突発性前庭疾患は突然歩けなくなったり立ち上がれなくなったりしてしまう病気のこと。老犬に多く、どの犬種でもなり得る疾患です。

平衡感覚を失ってふらふらよろよろと歩くようになり、体のバランスが保てないことから転倒することもあります。

これは、三半規管につながる内耳にある前庭という部分が、異常をきたすことにより発生します。

突発性前庭疾患になったら、真っすぐ歩けず転倒する、めまいを起こすようになる、首が曲がって傾いたようになる捻転斜頚、首をひねるように傾けてくるくる回る旋回運動、一過性の嘔吐、眼球がぐるぐる回るといった症状まで、軽度から重度まで存在します。

この病気は、いまだ原因が解明されていないため、適切な予防法や治療法は見つかっていません

多くの場合、抗生物質やステロイド剤の投与で経過を見ることとなります。多くの場合は徐々に回復していきますので、根気よく症状と付き合っていくようにしましょう。

犬が歩けなくなったり起き上がれなくなったりしたら介護をし、転倒でのケガを防ぐために床をクッションフロアにしてあげたりすることも大切です。危険な角などにはカバーをするなど工夫しましょう。

完治することが多いのでそれほど心配する必要はありませんが、一番怖いのが後遺症が残ってしまうことです。

老犬に多い疾患なので、寝たきりになった時によくあるケースが、認知症を起こしてしまうこと。

それを防ぐためにも、寝たきりになってもできるだけ頭を使わせたり、車に乗せて外出をしたりするなど、刺激を適度に与えることが必要となります。

高齢犬での発症は完治が危惧されますが、早期発見と早期治療によって回復は十分に見込めます。

飼い犬が高齢の場合は、毎日しっかりと様子を見てあげるようにしましょう。

 

 

  

 

 

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