ドッグフードの原材料に「魚」と書かれていると、肉よりヘルシー、オメガ3が多い、アレルギー対策になる、と考える人もいるかもしれません。しかし、魚を使ったフードにも種類があり、使われている魚種や加工方法、配合量によって役割は異なります。
魚は主にたんぱく源や脂質源として使われますが、「魚が入っている=必ずEPA・DHAが多い」「魚ならアレルギーが起きない」とは限りません。原材料名だけでなく、成分や栄養設計まで確認することが大切です。
ドッグフードの魚は主にたんぱく源として使われる
魚は、犬の体を作るたんぱく質を供給する原材料の一つです。筋肉、皮膚、被毛などの維持に必要なアミノ酸を含みます。
ただし、フード全体の栄養価は魚だけで決まりません。魚のほかに、穀類、いも類、豆類、油脂、ビタミン・ミネラルなど複数の原材料を組み合わせて総合的に設計されています。
魚原料で確認したいこと
- 魚種が具体的に書かれているか
- 魚肉・魚粉・魚油など、どの形で使われているか
- 原材料欄のどの位置にあるか
- 脂質やカロリーはどの程度か
- 主食なら総合栄養食として設計されているか
「魚」と「魚粉」「魚油」は役割が同じではない
原材料欄には、魚肉だけでなく、魚粉や魚油などが記載されることがあります。それぞれフード内での役割が異なります。
| 表示例 | 主な見方 |
|---|---|
| 魚・魚肉 | 主にたんぱく源として使われる |
| 魚粉 | 水分を減らした魚原料で、たんぱく源として使われる |
| 魚油 | 脂質源として使われ、脂肪酸の供給源になる |
「魚が入っている」という一言だけでは、たんぱく源として使っているのか、脂質源として使っているのかは分かりません。原材料名を具体的に確認しましょう。
原材料表示は配合量の多い順に並ぶ
ペットフードの原材料表示では、原材料は重量の多い順に記載されます。そのため、魚が原材料欄の前半にある場合は、比較的主要な原料として使われている可能性があります。
ただし、原材料表示から正確な配合割合まで分かるとは限りません。魚が最初に書かれていても、それだけでフード全体の品質や栄養価を判断することはできません。
魚に含まれる脂質とオメガ3脂肪酸を見る
魚、とくに脂の多い魚や魚油は、EPA・DHAなどのオメガ3脂肪酸の供給源になることがあります。
ただし、魚を原料に使っているすべてのドッグフードで、EPA・DHAが十分量含まれているとは限りません。
オメガ3脂肪酸を重視する場合は、「魚入り」という原材料名だけでなく、メーカーがEPA・DHAやオメガ3脂肪酸量を公開しているか確認する方が確実です。
サーモンと白身魚では特徴が違う
魚原料といっても、使う魚種によって脂質や風味などの特徴が異なります。
サーモン
サーモンはたんぱく源として使われるほか、脂質を含む魚として知られています。商品によってはサーモン油などを別に配合していることもあります。
白身魚
白身魚は、比較的脂質が少ない魚種が使われることがあります。ただし、「白身魚」という表示だけでは具体的な魚種や脂質量までは判断できません。
「魚だから低脂肪」とは限らない
魚を使ったフードでも、魚種、魚油の追加、その他の油脂原料によって脂質量は変わります。
体重管理中の犬や脂質制限が必要な犬では、「魚メインだから低脂肪」と考えず、保証成分値やカロリーを確認します。
脂質を気にするときに見る場所
- 粗脂肪
- 代謝エネルギー・カロリー
- 魚油など追加油脂の有無
- 1日給与量
魚は「食物アレルギーが起きない食材」ではない
魚を主なたんぱく源にしたフードが、食物アレルギーを疑う犬の選択肢になることはあります。しかし、魚そのものに反応する犬もいるため、魚なら必ず安全というわけではありません。
また、魚を使ったフードでも、鶏肉、卵、乳製品など別のたんぱく源が一緒に使われている場合があります。
食物アレルギーが疑われる場合は、表面の「魚メイン」という表示だけで判断せず、原材料を最後まで確認し、必要に応じて動物病院で食事試験について相談してください。
「魚味」と「魚が主要原料」は同じとは限らない
商品名やパッケージに魚の名前が大きく書かれていても、その名称だけで配合量を判断することはできません。
原材料欄で、実際にどの魚原料が使われているかを確認します。広告表現より原材料欄を優先して見ることが大切です。
魚の鮮度や品質は原材料名だけでは判断できない
「新鮮な魚」「高品質な魚」などの表現があっても、原材料名だけから品質を客観的に比較することは困難です。
フードを比較するときは、原材料表示だけでなく、栄養基準、製造管理、メーカーの品質管理情報、賞味期限、保存方法なども確認します。
魚臭さ・食いつきは犬によって違う
魚を使ったフードは香りが強く感じられることがあり、それを好む犬もいれば、食べにくい犬もいます。
食いつきは重要ですが、よく食べることだけで長期的な相性を判断しないようにします。
- 便の状態
- 体重
- 皮膚・被毛
- 食欲
- 嘔吐・下痢の有無
魚を使ったフードの価格は1日コストで比較する
魚原料を使ったフードは商品によって価格差があります。袋の価格だけでなく、愛犬の1日給与量まで含めて比較します。
1日コスト = 袋の価格 ÷ 内容量(g) × 1日給与量(g)
魚を使っているから高い・安いと決めつけず、実際の給与量で計算してください。
魚原料を見るときのチェックリスト
判断を急がずに済むよう、先に確認しておきたい項目を整理します。
【原材料表示で確認すること】
- 具体的な魚種が書かれているか
- 魚肉・魚粉・魚油のどれか
- 原材料欄のどの位置にあるか
- 粗脂肪・カロリーはどの程度か
- EPA・DHA量が公開されているか
- ほかの動物性たんぱく源も使われているか
- 愛犬の年齢・体調に合う総合栄養食か


